米ピュー研究所がこのほど実施した調査によると、フィリピン人の91%が中国との地域内の領土係争に懸念を表明した。フィリピン大統領府のエルミーニオ・コロマ報道官は、「これはフィリピン人の、隣国・中国との領土係争への認識の広がりを意味する」と話した。
コロマ報道官は、フィリピン現地のラジオ局からのインタビューに応じた際に、「本件の認識と意識が強まっていることは良いことだ。調査結果は、フィリピン人が一致団結しようとしており、政府が問題の解決・処理に当たる必要性を認識したことを示している。フィリピン人が一致団結すれば、問題はより良く解決されるからだ。海洋における国家的地位を守る際に、国民の一致団結が必要だ」と話した。
中国社会科学院辺疆研究所教授の李国強氏は、本件について次のように分析した。
中国とフィリピンは「冷たい対立」の状態にある。南中国海には確かに偶発的な衝突が生じる可能性がある。これはすべて、フィリピン側が一方的に引き起こしたことだ。フィリピンは正確な方向から外れ、遠ざかっている。ゆえにフィリピン人、学者、メディアは、これを懸念する理由を持っている。フィリピン政府は南中国海問題において、両国関係の大局を顧みず、本来スムーズだった外交による解決ルートを遮断し、国際仲裁裁判所にいわゆる訴状を提出し、南中国海の仲裁案という茶番を演じた。また米国と結託し、中国の我慢の限界を試し続けている。フィリピンは黄岩島で中国の主権と管轄権を脅かし、仁愛礁に軍艦を派遣し物資を補給している。また米国との合同演習の頻度を高め、防衛面の協力を強めている。南中国海問題については、機会があるごとに言及している。フィリピンのこれらの行為は、南中国海問題に対して大きな悪影響を生んでおり、両国関係に暗い影を落とし、両国の南中国海における平和と両国関係を脅かしている。
フィリピンは来年、大統領選挙を迎える。フィリピン人は、アキノ政権の後に、両国関係と南中国海問題がどうなるかを自ずと懸念するだろう。また現在の両国関係の現状下、フィリピンは中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の発展の快速列車に便乗できない。フィリピンの経済発展は周辺諸国に遅れる可能性がある。これはフィリピンの識者と多くの国民が望まないことだ。ゆえにフィリピンの国民・学者・メディアの懸念は、現状や未来に対する懸念である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月8日