今回の集会は「国会10万人・全国100万人大行動」の一環として開かれた。東京のほか、全国300カ所でも同じ日に抗議集会が開かれ、過去数ヶ月に渡る安保法案に対する抗議活動のうち最大規模となった。
しかしながら自民党は、安保関連法案の審議が「集会の影響を受けることはない」としている。自民党の高村正彦副総裁はNHKの番組に出演した際に、「内閣支持率を犠牲にしても、国会で安保法案の成立を目指す」と述べた。報道によると、与党は9月16日に特別委員会と参議院本会議を開き、法案を採決して成立させる方針だ。
安倍首相は、「改憲は私の政治的使命」と何度も表明している。安倍首相は再任を果たすと、「改憲」を毎年、自民党の「行動計画」に盛り込んでいる。安倍首相は国民に「改憲の必要性」について説明する必要があると何度も称し、確かにさまざまな措置を講じてはいるが、日本人が現在も納得していないという事実がある。安倍首相のシンクタンク「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」のメンバー、京都大学教授の中西寛氏は、5月3日付の読売新聞に宛てた文章の中で、「憲法9条改正動議を出し、衆参両院で採決されたとしても、国民投票で否決されることは間違いない」と表明した。
憲法9条を改正する上で国民という「障害」を避けては通れないため、安倍首相は「迂回戦略」を採用した。安保関連法案の成立により、専守防衛の政策を間接的にだが実質的に変える。安保法案の成立を目指し、自民党は過半数の議席を占める国会の会期を9月27日まで大幅延長した。自公両党は圧倒的な議席数により、衆議院で安保関連法案を強行採決しており、参議院でも同じことをしようとしている。自民党の政界における「一強」は、安倍首相が野党と国民の反対を無視し、安保関連法案を強行推進できる重要な理由の一つだ。