中国の習近平国家主席は訪米を控えた9月22日、ウォール・ストリート・ジャーナルの書面インタビューに応じた。習主席は同紙の質問に対して全面的かつ深く掘り下げた説明を行った。習主席はその中で、米国メディアや学界などの一部から挙がっている、中国の外交の動向、中国国内の改革、中米関係の先行きなどに関する疑問に回答した。
(一)中国には既存の国際体制を脅かす意図はない。中国が新たな経済・安全計画により、既存の世界管理構造や国際体制を覆そうとしているという雑音が聞かれる。習主席はこれに非常に明確に回答し、中国にこのような意図はないと表明した。また中国は既存の国際体制の参与者・建設者・貢献者であると指摘した。世界管理体制・メカニズムは、時代と共に進む必要がある。これを調整・改革することは立て直しや再構築ではなく、革新と改善だ。
(二)中国には米国をアジア太平洋から追い出す意図はない。米国の一部の人は、中国のアジアにおける行動は米国のアジア太平洋における勢力を脅かすと考えている。習主席はインタビューの中で、アジア太平洋は中米が駆け引きを展開する戦いの場ではなく、協力と調整を強化する協力の場になるべきだと指摘した。言い換えるならば、中国は米国をアジア太平洋から追い出すつもりはなく、米国と地域の平和と安定に資する協力を展開しようとしている。これは両国および地域内の諸国の共通の利益に合致するからだ。
(三)中米関係を全面的に捉える。いわゆる「臨界点」という説が大げさに取り上げられており、一部の人は中米関係の食い違いを解消できないと懸念している。習主席はインタビューの中で、中米関係の食い違いばかりを見るのではなく、より全面的な角度から両国関係を見なければならないという姿勢を示した。両国は食い違いを解消するため努力し、一時的には解消できないとしても、適切にコントロールし、激化とエスカレートを防止しなければならない。中米の一部の係争についても、協力を模索できる。中米両国は共にサイバーセキュリティなど注目されている問題に関心を寄せており、協力の意向を持っている。世界的な課題に対応する際に、中米両国は積極的に協力し、中米新型大国関係に絶えず前向きなエネルギーを注ぎ込むべきだ。