中国のWTO加盟から14年が経った現在、中国は、経済発展方式の転換や経済構造の調整、成長効率の向上、発展の持続力の増強に取り組み、発展の重心をハイテクやサービス業、クリーンエネルギー、環境保護に置くようになっている。この角度から見ても、中米両国の協力や相互利益、ウィンウィンには広大な可能性があると言える。
世界トップ500社にランクインする中国企業はますます増えている。これが示しているのは、世界の財産が西から東へ移転しているという傾向だけではない。中国の発展は、米国の老舗企業に豊かな利潤とリターンをもたらし、新興企業もこれをチャンスといっせいに動いている。両国の企業界はここ最近、実質的な大型協力でさらに3件の成果を得た。米国西部での高速鉄道の共同建設、アフリカのクリーンエネルギーの共同開発、建築省エネ基金の共同設立である。さらに米国のデル・コンピュータ社も中国のサイエンス企業数社との緊密な協力を開始している。
習主席はしばらく前、ライス米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に会見した際、中米両国は二国間投資協定(BIT)の交渉を促進すべきだと語った。経済界では、協定がもしも実施されれば、双方の受ける利益は小さくなく、より大きな投資潜在力が双方向に発揮され、米国の製造業の発展と中国の経済構造の調整を促進するとの前向きな見方が出ている。これは双方にとっての現実的な利益であり、中米関係を全体として一層強化するものとなる。
シアトルと北京との出会いは偶然ではない。中米関係の全方向的な発展と世界の経済貿易局面の変化という2つの要素によって生まれた必然である。習主席のシアトル訪問は中米両国の国民にどんなサプライズをもたらしてくれることになるのだろうか。(文:陸忠偉。中国現代国際関係研究院元院長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年9月23日