見通し外射程空対空ミサイルは一種の長距離ミサイルで、戦闘機に搭載することで30キロ以上離れた敵の戦闘機、爆撃機、補給機、無人機、その他の航空機を撃墜できる。中国は9月15日、最新のPL-15ミサイルの試験発射に成功し、1機の無人機を撃墜した。米月刊誌『ポピュラーサイエンス』(電子版)が9月23日に伝えた。
PL-15は中国の第607研究所(空対空ミサイル研究院)が、中国の現在の見通し外射程空対空ミサイル「PL-12」(射程距離は100キロ弱)の後継ミサイルとして開発。PL-12と比べ、PL-15のレーダーは捕捉範囲が広く、干渉に強いデータリンクを持つ。またダブルパルス固体ロケットブースターにより、射程距離を延長している。
プロトタイプ機の段階でも、PL-15はすでに世界的なスターとなっている。中国がこのミサイルを試験発射した同じ週、米太平洋空軍のカーライル司令官は2015年空軍協会会議で演説した際に、米議会が米製見通し外射程空対空ミサイルの後継ミサイルの開発に予算を組む理由として、PL-15を挙げた。カーライル司令官は、PL-15の射程距離への懸念を示した。これにスクラムジェットエンジンを搭載すれば、射程距離が150−200キロに延び、既存の米製空対空ミサイルの射程距離を超えることになる。PL-15はF-35のような戦闘機、爆撃機や空中給油機の脅威になる。米国が広大な太平洋上で作戦を展開する際に、これらの航空機が非常に重要になる。カーライル司令官は、PL-15の制御は米空軍が重視する問題だと述べた。
PL-15は将来的に、中国のJ-20やJ-31といったステルス戦闘機、やや古いJ-10、J-11、J-15、J-16戦闘機に配備されるようになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年9月24日