融合は、世界経済の全体的な構造となっている。中国は日本、シンガポール、オーストラリアなど、TPP交渉参加国の多くの国にとって最大の貿易相手国であり、米国にとって2番目の貿易相手国でもある。中国は韓国やオーストラリアと、自由貿易協定を締結している。一方的に中国をけん制することはもはや容易ではなく、必然的に自国にダメージをもたらす。共存共栄、協力とウィンウィンが、現実的な理論に合致した共通認識になろうとしている。TPPは進展の過程において、実務的な路線を選択することになる。中国も将来的にTPPに参加するという選択肢を排除していない。
TPPが発効しようとしているが、これは地域内の基準に過ぎない。世界統一の規則にするためには、多国間枠組み内に置き、WTOというレベルで議決しなければならない。これは容易なことではない。農産物、知的財産権、医薬品開発データなどの問題について、米国は自国の利益の保護を強調し、多くの私的な考えを加えている。責任ある大国は、公平な態度で多国間の協力を見据えるべきだ。あちこちに私利を持ち込み、道義的に強く訴える口実を設けるならば、これは自分で自分を欺くことにほかならない。TPP協定そのものを見ると、これが世界全体をリードする新たな規則になることはない。せいぜい米国の貿易面の影響力が、ある程度強化されるだけだ。米国は中国に規則を制定させないと称しているが、米国主導の規則がどのようなものであるかは、言わずと知れている。米国の指導力が低下している理由は、このような制度の策定の中から見つかるかもしれない。
TPPは中国が乗り過ごした列車ではなく、中国がこれで何かを失うこともない。中国は自国の取り組みに集中し、経済を安定化させ、貿易を発展させればよい。いかなる国際貿易枠組みであっても、中国が加わらなければ不完全だ。当時のWTOのように、中国の不参加は一つの損失だ。中国にはこのような自信が必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月8日