米海軍は29日、リチャードソン米海軍作戦部長が同日、呉勝利中国海軍司令員とテレビ会談し、南中国海情勢と両国海軍の関係について議論したと発表した。
米海軍の報道官によると、テレビ会談は約1時間続き、「専門的」な口調で「多くの成果」が得られたという。しかし報道官は、会談の詳細な内容については明かさなかった。
ロイター通信は米国防総省の関係者の話として、「2人の海軍トップは、すでに構築した軍隊が遭遇した際のマニュアルを順守し、近接行動時の判断ミスの発生を回避することで合意した」と伝えた。
先ほど中国国防部の楊宇軍報道官は定例記者会見で、「呉勝利中国海軍司令員は29日、リチャードソン米海軍作戦部長と中国国防部のホットラインを通じてテレビ会談し、米艦が勝手に中国の南沙諸島の関連島礁付近の海域に進入したことについて、米国側に厳正なる立場を表明する」と述べていた。
米中海軍トップがテレビ会談するのは、今回が3回目だ(1回目は今年4月、2回目は8月)。米ディフェンスニュースはまた、ハリー・ハリス太平洋軍司令官、スコット・スウィフト太平洋艦隊司令官が、今後数週間内に訪中すると報じた。
米駆逐艦「ラッセン」は今月27日、中国の南沙諸島の関連島礁付近の海域に勝手に進入した。中国外交部の張業遂副部長は同日、米国のボーカス駐中国大使を呼び出し、強く抗議した。
中国外交部の陸慷報道官は28日の記者会見で、「中国は南沙諸島および付近の海域に対して争うことのできない主権を有する。米艦が勝手に関連島礁付近の海域に進入したことは、中国の主権と安全を著しく脅かし、島礁の人員と施設の安全を危険に晒した。これは中国に対する深刻な政治的挑発だ。米国の行為は国連海洋法条約などの国際法、および中国の関連する国内法に違反する。中国は対話によって、米国を含む他国との食い違いの解消を主張してきた。これは中米双方が共に向き合う必要がある」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月30日