先日閉幕した第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)は、協調発展を堅持し、都市部と農村部の協調発展を重点的に促進し、経済と社会の協調発展を促進する方針を打ち出した。中国はなぜ協調発展をこれほど重視するようになったのか。中国の経済・社会発展にどのような重大な影響をもたらすのか。これについて、国家行政学院経済学教研部副主任の張孝徳教授は取材に「中国の地域発展戦略の重大な調整であり、中国が一部地域の開放から国内の開放、さらには国際的な開放へと向かい、『開放の三段跳び』を完成し、中国を悩ませ続けてきた経済発展の空間開拓と不均衡の問題を重点的に解決するものだ」と指摘した。中国網が伝えた。
■中国は段階的に異なる戦略を講じて「開放の三段跳び」を完成
張教授によると、1980年代に鄧小平氏は一部の国民が先に豊かになり、一部の地域を先に成長軸にし、模範になるという方針を打ち出した。この戦略思想に導かれて、東部沿海地域は優先的に発展を実現した。21世紀に入り西部大開発と世界貿易機関(WTO)加盟に象徴される形で、中国の地域発展は非均衡発展から均衡発展戦略へと転換し、一部地域の開放から全国の開放へと転換した。第18回党大会以来、習近平氏をトップとする党中央は時勢をよく推し量り、中国と世界の発展の新たな変化に基づき、地域発展と開放の新戦略を打ち出した。この新戦略は主に3つの面に現れている。第1に北京・天津・河北省の一体化協同地域発展戦略、第2にゴールデン航路による長江経済ベルトの発展促進、第3に「1ロード、1ベルト」戦略構想だ。この3大戦略は中国の地域発展が一部地域の均衡発展から全国の均衡発展へと転換することを示しており、特に「1ロード、1ベルト」戦略は中国の対外開放が海洋に沿った開放からユーラシア大陸に向けた西部大開発へと転換することを示している。
「改革開放以来、中国の地域発展と開放戦略は3つの大きな段階を踏んできたと言える。第1段階は南東沿海優先発展の非均衡発展、一部地域開放の段階。第2段階は東部から中部、西部への均衡発展、全開放の段階。現在は第3段階であり、国際的な大開放、全国に波及する大協調発展の新たな段階だ」と張教授は指摘した。