1953年から現在までに中国は計12の五カ年計画を策定、実施しており、近く第13次五カ年計画を迎える。五カ年計画は中国経済・社会発展の「羅針盤」と言える。中国経済の奇跡の道は五カ年計画を礎に敷かれたと言っても少しも誇張ではない。(文:鄢一龍・清華大学行政学部助教。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
五カ年計画が定める目標は、全体的にいずれも達成できるものだ。第11次五カ年計画では、策定した22の指標のうち19 を達成した。他の3つは達成できなかったが進展を得た。2011~2014年の統計で評価すると、第12次五カ年計画の28の指標のうち、達成困難なものは2つだけであり、目標の達成率は過去最高の91.7%に達する見込みだ。
中国の強大な目標達成能力は、中国の制度的優位性を体現している。中国共産党という核心的指導勢力があるからこそ、社会全体が合力を形成でき、国家目標と公共利益の達成を推進することができるのだ。党、政府の二重体制は指導権と執行権の分業であり、目標達成の推進に有利だ。国家が重要な戦略的経済資源を掌握しているからこそ、「エコノミック・アニマル」の企業も国家全体の目標に合わせざるを得ない。党が指導し、政府が主導することで、西側諸国の制度がもたらす破片化、分利化の問題を回避し、国家目標の達成を共に指向する。
五カ年計画の目標は一度定めたら不変のものではなく、実際の状況に基づき変化し、たゆまず適応的調整を行う。中国の発展には揺るぎない方向があり、長期的に堅持すると同時に、たゆまず柔軟に段階的調整を行う。
中国共産党の長期執政によって、政策決定者は国民の長期的利益、全体的利益に立って国家の発展を考えることができる。中国共産党は外部の圧力に受動的に応じる政党ではなく、主導的な戦略行動者だ。われわれは党が常に国民と国家のために戦略ビジョンを設け、これを現実に変え続けるのを見る。同様に、党は民衆の訴えおよび実際の情勢の必要に基づき、自らを調整し、かつ理性的に優先的順序行動を確定し、行動を取る。
五年ごとに策定される五カ年計画は10数億国民の心の声を集め、国家発展の目標、方針、戦略を全体的に設計し、10数億国民の共同の行動綱領となる。この標尺があることで、国民は国家をより高いレベルで理解し、国家の今後の発展の趨勢を明確に認識し、政府も自らを鞭撻してできるだけ計画の方向に沿って前進することができる。
偉大な中国の夢はまず10数億国民の心に描かれ、次に五カ年計画綱要に描かれ、最後に960万平方メートルの中国の大地に描かれ、無数の家々の日常生活に描かれる。今後5年間のビジョンが近く描かれる。これはややゆとりのある社会の全面的完成という国家の大きな夢に属し、より素晴らしい生活を送るという一人一人の小さな夢にも属す。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年11月12日