中国が提唱する「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想とアジアインフラ投資銀行が、アジア太平洋と世界から積極的な反応を得るなか、米国はTPPという小範囲で排他的な経済貿易協定を力強く推進し、世界2位の経済体を排斥している。その目論見と度量の狭さは、周知の通りだ。
米国はいったい何をしようとしているのか?来年ホワイトハウスに別れを告げるオバマ大統領は、どのような遺産を残そうとしているのだろうか?その中心となっているのは、「覇権」という考え方だ。オバマ政権は近年、アジア太平洋回帰、アジア太平洋リバランスなど、アジア太平洋でさまざまな手を講じている。だがその多くは歴史に逆行し、アジア太平洋での覇権を維持しようとするものばかりだ。米国は中東情勢を乱したが、さらに南中国海、アジア太平洋を乱そうとしているのだろうか?
「和而不同」という言葉がある。中米は一部の問題で食い違いが不可避である。中国は常に、「太平洋は中米両国を受け入れられるほど広大だ」と判断している。しかし21世紀の米国は依然として「覇権」という考え方を捨てず、中国を「ライバル」として排斥し圧力をかけ、時代の流れに逆行している。
歴史を振り返れば物事ははっきりする。16年前の「誤爆」は中米関係を冷戦後で最悪の水準まで冷え込ませたが、中国人にもたらした傷はまだ完全に癒やされていない。米国が「意図せず進入」を二度と繰り返さず、中米関係およびアジア太平洋の平和と安定を損ねないことを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月21日