そればかりか、フィリピンは武力支援も求めている。米側が中国・南沙(英語名スプラトリー)諸島近海に軍艦を不法進入させたことに、フィリピン上層部は喜んだ。フィリピンはオーストラリアも南中国海で巡航を行い、これによって「国連海洋法条約を含む国際法を支持する」ことを「歓迎」している。
フィリピン側の数々の言動について中国側はよく分っている。フィリピン側の真意は別にある。仲裁は問題解決を意図したものでは決してなく、反対に問題を作り出すためのものだ。フィリピンは仲裁を強引に推し進めることで、一層の波及効果を生むことを企てている。これに対して、中国はフィリピンによる南中国海仲裁裁判は本質的に「法律の衣をまとった政治的挑発だ」と極めて的確に指摘した。
仲裁裁判がフィリピンの望み通りになるかどうかについても、中国の回答は明確だ。フィリピンは「非現実的な幻想」を抱いている。南中国海における中国の主権と海洋権益は長年の歴史過程において形成されたものであり、仲裁裁判によって法理上の根拠を得ることを必要としない。フィリピンは中国との対話を拒絶し、一方的に仲裁裁判を提起した。中国はこれを決して受け入れず、参加もしない。南中国海仲裁裁判は争いの解決にならず、南中国海の平和・安定にも無益だ。
フィリピンは問題を解決したいのなら、根本的に改めなければならない。第1に、「南中国海における関係国の行動宣言」を真摯に実行し、中国の島・礁および関係海域での不法行動を止める。第2に、南中国海をめぐる争いの多国化、国際化の挙動を止め、二国間の交渉を通じて問題を解決する。仲裁裁判という政治的茶番はフィリピンを誤った道へと突き進ませるだけだ。瀬戸際で踏みとどまり、自らの過ちを悟って正しい道に立ち返るべきだ。
「人民網日本語版」2015年12月24日