しかしながら、中国に同意させるためには、中国に信頼してもらうための誠意を見せなければならない。まずは北東アジア、東南アジア、さらにはアジア太平洋全体で、米国の中国に対するリバランス戦略を強めすぎるわけにはいかない。次に朝鮮の核問題の責任を明らかにし、その責任を中国に押し付けるわけにはいかない。
朝鮮の核問題は、中国を緊張させる微妙な変化を生んだ。例えば韓国はこれを契機に、THAADミサイルの配備の検討を開始している。さらに韓国は、五カ国協議を提案した。中国にとって厄介なのは、朝鮮の核実験という「騒ぎ」よりも、米日韓の戦略的連動の方だ。米国はアジア太平洋リバランス戦略を東南アジアから北東アジアに拡大し、中国の近海で中国を息苦しくする包囲網を形成した。
ケリー長官が訪中しても、南中国海、朝鮮の核兵器といった古い問題に関する新しい手段が見出だせるわけではない。ケリー長官はこれらの難題を解消できず、オバマ大統領も力になれない。これは次の米国政府が直面する懸案でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月27日