パキスタンは中国・パキスタン経済回廊(以下、「経済回廊」)の安全を保障するため、全力を尽くしている。この経済回廊は、パキスタンの長期的な繁栄にとって極めて重要だ。グワダル港は中国と湾岸諸国をつなぐ紐帯で、中国はグワダル港を使い同地域にソフトパワーと軍事力を展開し、米国の中東における主導的地位を直接脅かすことができる。国際オンライン時事雑誌『ザ・ディプロマット』が2月21日に伝えた。
このかつて米国に支配されていた地域において、中国は影響力を急速に拡大してきた。米国の中東事業への参与が減少するにつれ、中国は行動に出て、権力の空白を補おうとしている。中国の中東地域における、経済・軍事的存在感が強まっている。ジブチの外相は昨年12月、中国がジブチに海軍基地の建設を計画していると発表した。ジブチの位置は戦略的に非常に重要で、ここから紅海とスエズ運河に入れる。現在、日本、米国、フランスなどが、ジブチに軍隊を駐留させている。グワダル港とジブチにおける動きを見ると、中国が戦略的な視野を拡大し、海外における戦略的利益、重大な利益を守ろうとしていることが分かる。
パキスタンは情勢が不安定なため、経済回廊の安全保障に全力を尽くしている。この経済回廊は中国の喀什(カシュガル)市から始まり、パキスタンのグワダル港で終わる(グワダル港は情勢が不安定なバローチスターン州に位置する)。パキスタンは昨年4月、約1万人の「特殊部隊」を発足し、経済回廊の建設に参与する中国側の人員と企業の安全を保証すると発表した。
経済回廊と戦略的に重要な港湾の安全保障は、容易なことではない。バローチスターン州の分離主義者は、グワダル港の開発に反対している。
パキスタンは、経済回廊は大きな経済効果をもたらすため、その保護は極めて重要だと考えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月23日