貧困脱却の取り組み
中国では現在、貧困人口が7000万人余りにのぼる。これらの人々を2020年までに貧困から脱却させることは、中国が今後5年で取り組まなければならない最も困難な問題であり、必ず勝たなければならない戦いである。小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な実現や、国連のポスト2015年開発アジェンダでの約束にもかかわる重大問題となる。2015年11月以来、中国の各レベルでは貧困脱却に向けた決意が示され、中共中央・国務院は「貧困脱却の難関攻略戦突破に関する決定」を公布するなど、中国の貧困脱却の戦いの布石は着実に進められている。
「十三五」の最初の年となる今年、貧困脱却事業の滑り出しをいかに行うかは極めて重要となる。貧困脱却の問題について、上層部が両会で新たな手配を行うかは、注目に値する焦点となる。
運命共同体
「周辺運命共同体」から「アジア運命共同体」、さらには「人類運命共同体」へと、中国と各国とはここ一年、協力してウィンウィンを実現し、手を携えて前進しようという意思をますます固めてきた。
2016年も世界は変わらず広大であり、問題は依然として少なくない。「運命共同体」理念を提唱する中国の意思は、重大な挑戦に直面している。政治・外交のエリートが集まる両会で、中国がいかなる声を発し、いかなる対応策を打ち出すかに、海外からも注目が集まっている。
4つの意識
1月末に召集された中共中央政治局会議では、「政治意識・大局意識・核心意識・看斉(一致団結)意識を強化する」との方針が初めて打ち出された。「4つの意識」はこのことから、政治分野の最新のキーワードとなった。
中国は現在、「中所得国の罠」と「トゥキディデスの罠」という2つの世界的な難題に直面している。改革は難関攻略の時期に突入し、危険も伴うさらに深い段階に入っており、「4つの意識」による導きを必要としている。今年の両会では、「4つの意識」がさらに具体的に示されるものとみられる。
5大戦区
中国人民解放軍は2016年、5大戦区を設立した。30年余り続いた「7大軍区」という区分はこれで過去のものとなり、中国軍は新たな「戦区」の時代に入った。
戦区は、管轄の戦略方向の最高合同作戦指揮機関であり、戦略方向の安全の脅威に対応し、平和を維持し、戦争を抑制し、戦争に勝利する使命を担っている。
中国の軍事改革はこれまでも、海外の注目を集めてきた。軍区の撤廃と戦区の設立は、中国による強軍戦略全面改革の実施を象徴する最新の措置であり、1950年代以来の中国で最大規模の軍事改革とみなされている。両会での5大戦区にかかわる話題に注目が集まることは間違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年2月27日