米軍は今月、韓国との年間合同軍事演習にトップクラスの戦闘力を派遣しており、この数十年間で最大規模となっている。そのうち13日に釜山の作戦基地に到着した米海軍の原子力空母「ジョン・C・ステニス」が、特に注目を集めている。
同艦は米国の現役主力空母の一つだ。長期的に日本の横須賀米軍基地に配備されている「ロナルド・レーガン」を合わせると、米軍は東アジアの海域に2隻の原子力空母を配備していることになる。
軍事専門家は、「空母は戦略的な武器装備であり、その配備場所・時期・方法には、興味深い戦略的な意味が込められている。米軍がアジア太平洋における空母の存在感を強めるのは、米国の戦略のアジア太平洋へのシフトが加速されていることのほか、アジア太平洋の数多くの問題を軍事化させようとする米国の意向を反映している」と分析した。
【アジアシフトによる微妙な変化】
中国国防大学戦略研究室の韓旭東教授は、新華社のインタビューに応じた際に、「ジョン・C・ステニスは就役以降、頻繁に活動しており、『ホットな』地域に絶えず姿を現している。これは米国の戦略的な野心を示している。米国のこれまでの空母配備の微妙な変化を振り返ると、戦略の重心の調整を読み取ることができる」と指摘した。
米国は冷戦時代、アジア太平洋を世界で覇を唱える戦略の重要な拠点とし、横須賀に軍事基地を作り、空母の母港とした。韓氏は、「横須賀基地を母港とする空母は冷戦時代、米国とソ連の覇権争奪戦で重要な力を発揮した」と述べた。
冷戦後の一定期間に渡り、米国は東欧・中東問題に忙しく、アジア太平洋を現在ほど重視していなかった。これは空母の配備を見ても分かることだ。1998−2008年までに、横須賀基地を母港としていた「キティホーク」は、米軍で最後に退役した通常動力潜水艦だ。当時その他の「ホットな」地域に配備されていた米軍空母と比べると、老朽化が進んでいた。
米国が「アジア太平洋リバランス」戦略を推進し、世界の戦略的重心のアジア太平洋へのシフトを加速するに伴い、アジア太平洋に出没する米軍空母にも「微妙な変化」が生じている。例えば横須賀基地には、「ジョージ・ワシントン」の代わりに、新しく先進的なロナルド・レーガンが配備された。
韓氏は、「米国が日本にロナルド・レーガンを配備することで、米国はアジア太平洋地域で積極的に措置を講じ、自国に有利な安全環境を構築するという情報を伝えたのかもしれない」と分析した。