国務院新聞弁公室は今年1月、原子力に関する中国初の白書--「中国の原子力緊急対応」を発表した。国防科学技術工業局原子力緊急対応安全司長、国家原子力事故緊急対応弁公室副主任の姚斌氏によると、過去30年近くの間、原発の運用において2級以上の事故は起きていない。今後中国は引き続き原子力大国としての地位と社会・市民に対して責任を負う必要性に基づき、原子力の平和的利用という国際的責任を担い、良好な運用を継続する。
中国が原発を発展させるのは主にクリーンエネルギーの開発と気候変動対策への考えに基づくものだ。樊吉社氏によると、中国は原発技術の普及に力を入れ、他国が安全でクリーンなエネルギーを獲得することを支援している。英国のNeil Renwick教授は人民日報の取材に「原発の発展において近年の中国の進展は顕著だ。多くの中国企業が海外進出し、安全な原発技術を世界各地に普及している」と指摘した。中国広核集団有限公司はフランス側と共同で英国の原発に投資し、総投資額は180億ポンドに上る。同プロジェクトはフランス側と中国企業の共同建設で、すでにEUの承認を得ている。また、中国広核集団有限公司はルーマニアとの原発開発協力、南アフリカでの原発開発協力でも合意している。
中国政府の海外進出支援政策の下、中国の原発企業はすでにアルゼンチン、アルメニア、エジプト、イラン、カザフスタン、ケニア、トルコ、英国、パキスタン、南アフリカでプロジェクトを展開。技術や重要な部品を提供するだけでなく、人員、資金、核安全保障面でも支援を行っている。
核安全保障は原子力事業の持続的で健全な発展にとって生命線だ。中国は自らの核安全保障を確保すると同時に、他国の核安全保障リスク管理を支援し、世界の核安全保障に積極的な貢献を果たす。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年3月30日