第4回核安全保障サミットが、3月31日、4月1日の両日に米ワシントンで開催される。サミット開幕を控え、中国国家原子能機構と米エネルギー省が共同建設した核安全保障モデルセンターが運営をスタートした。これは中米両国の首脳がサミットにおいて、核安全保障の協力強化を議論する基礎を固めた。
北京で開かれた同センターの竣工式に出席した米エネルギー省のモニズ長官は、「これは世界クラスのモデルセンターであり、中国、アジア太平洋、世界各地の核安全保障人員に研修と技術交流を提供する。これはまた、米中両国の核安全保障面の協力のモデルだ」と話した。
これは現時点で、同分野で中米両国の政府が直接投資・建設する最大規模のプロジェクトであり、アジア太平洋地域で最大規模の核安全保障交流・研修センターだ。中国国家原子力機構の劉永徳報道官によると、同センターは毎年、中国およびアジア太平洋諸国の約2000人の研修を行う。
復旦大学国際問題研究院の沈丁立副院長は、「中米両国には原発があり、核融合と放射性物質がある。両国はこれらの燃料がテロリストの手に渡ることを望んでいない。こうして双方の需要が一致し、機会を模索し協力することになった。両国による同センターの共同建設がその一例だ」と述べた。
中米両国の首脳は、米国で2010年4月に開催された第1回核安全保障サミットにおいて、中国で同センターを共同建設することを決定した。モニズ長官は第4回核安全保障サミットを控え、「習近平国家主席とオバマ大統領はサミットで、両国の核安全保障の協力の発展について議論するはずだ」と語った。
核安全保障サミットは、核安全と核テロリズムの防止を目的とする。第1回は2010年4月に米ワシントン、第2回は2012年3月に韓国のソウル、第3回は2014年3月にオランダのハーグで開かれた。専門家はインタビューに応じた際に、「中国の首脳がサミットに毎回出席しているが、これは中国の世界核安全保障および中米の協力に対する重視のほどを示している」と指摘した。
ハーバード・ケネディスクールの核問題専門家、マシュー・ バン教授は「習主席のサミット出席は非常に重要な積極的意義を持つ。米中両国は核安全保障で多くの共通点を持ち、両国間で非常に積極的に協力が展開されている」と話した。
習主席は第3回サミットで講演し、初めて中国の核安全観を示した。習主席は、「核安全は世界的な課題だ。一国の核燃料が失われれば、全世界が脅威に直面する。普遍的な核安全を実現するためには、各国が手をつなぎ努力する必要がある」と述べた。
オバマ大統領は就任当初、核テロリズムを国際安全の重要な脅威の一つとし、世界核安全システムを共に強化するよう各国に呼びかけた。
このようなコンセンサスに基づき、双方は「両国の核安全協力を深化させ、世界の核安全水準を高め、核不拡散を促進するため共に貢献する」を、習主席の昨年の訪米の成果とした。
バン氏は、「中米の協力はさらに拡大可能だ。中米が東アジア諸国の核安全保障人員を教育し、東アジアの核安全保障能力を強化するなどだ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月30日