オーストラリアと比べると、日本は南中国海問題に対して意欲的だ。日本は表面的には自制しているが、野心を燃やす積極的な一員になっている。日本政府は中国と対立すると同時に、他国に対して中国と対立するよう働きかけている。南中国海は、日本の多くの願いを叶えた。特に安保法が施行されると、日本は海外軍事活動の自由度が高まった。南中国海はこの自由度を「実行に移す」ための、最良の突破口だ。日本は今後、南中国海に対して、公然たる干渉を増やしていくだろう。
南中国海問題にこれまで解決の可能性があったとするならば、今後一定期間はこのような贅沢な願いを持てなくなる。南中国海が「大国の駆け引き」に向かうならば、別の問題が発生し、発展する口実が形成される。これまでの係争は、大国の駆け引きの担い手になる。
中国と米日によるこの「駆け引き」を、完全に回避することは困難なようだ。中国は南中国海問題の変化を受け入れ、米日など、特に米国との駆け引きに慣れる必要がある。
中米間に武力行使の意図がなければ、南中国海問題が破綻に至ることはない。米国が呼びかける「影の同盟」も、実質的な力を発揮するため力強く前進することはない。
日本政府は中国を半敵対視する姿勢を示しており、中国の不興を買っている。日本には資金力も技術力もあり、東アジアで反中感情を煽るほか、中国に圧力をかける実質的な行動も可能だ。しかし日本の中国に対する安全の脅威は限定的であり、中国はこれを過大評価すべきではない。
南中国海問題と中日関係は、これまでの独立性を失いつつあり、中米の複雑な関係における戦略の歯車が噛み合っている。今後数十年は、中国の戦略的な度量、知恵、忍耐力が試される。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月5日