第一の手は、問題の根本的な解決。中国は、領土紛争と海洋国境画定紛争にかかわる仲裁の実質を指摘し、フィリピンが仲裁を提起したあくどい意図を国際社会に認識させることができる。同時に、中国の歴史的な権益を系統的に説明し、中国の主権・権益を損なうフィリピンの違法行為を明らかにすることもできる。フィリピンが長年にわたって中国の島礁を不当に占領してきた事実、訴訟を通じて中国の南沙群島の主権を分断しようというその意図を明らかにする。中国はこれまで、仲裁案に関する立場についての文書を発表し、誤解をただすことに努めてきた。事実と証拠は、米国とフィリピンの非難を根底から覆すこととなる。
第二の手は、メインストリームへの転換。西側は、国際的な情報の流れを掌握している強みを利用し、仲裁案についての世論を誤った方向へと導いている。中国はこれを利用して西側メディアに積極的に働きかけ、あいまいな認識をはっきりとさせ、間違った言論に反論する必要がある。最近では中国の外交官が英紙「タイムズ」などの外国メディアに記事を発表し、南中国海問題と中国の南中国海に関する政策と主張を海外の読者が客観的に理解できるよう働きかけている。
第三の手は、まずは休息して力を蓄え、時機を見て攻勢をかける。米国とフィリピンは仲裁によって中国を牽制しようとしている。中国は、他国にコントロールされることを避けなければならない。一方では、「双軌思路」(二重軌道構想)を顕示し、南中国海の紛争の国際化を阻止し、域外の国が撹乱しないよう警告する。もう一方では、意見の相違の平和的な解決を堅持すると同時に、最低ラインもはっきりさせ、正当な権益の放棄を中国に迫ることはどの国にも思いとどまらせなければならない。中国は挑発もしないが、他人の好きなようになることもない。
南中国海問題の解決の土台は歴史と事実の尊重である。有名な「バネ理論」が示すように、圧力が大きいほど反発も大きい。米国やフィリピンにせよ、仲裁にせよ、巧妙なからくりや武力によって南中国海問題をコントロールしようとする試みは誤っており、失敗に終わることは間違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月9日