米ロサンゼルス・タイムズ紙は「オバマ氏のアジア太平洋回帰が奏功」と題した記事の中で、「オバマ大統領が2011年にアジア太平洋回帰を提起した際、一部の人は混乱する中東から逃げる愚かな試みだとあざ笑った。しかしこの戦略的シフトは現在、非常にスムーズに進められており、地域内のほぼすべての国が米国とより近い関係を望んでいる。うち最も典型的な例は、ベトナムだ。ベトナムの首脳はベトナム戦争を経験しているが、今や米国とのより緊密な軍事協力を公然と求めている。中国の南中国海の島礁建設に対して、米国ができることは実際に少ない。米国は戦争を始めることも、自ら島礁を占領するわけにもいかない。しかし米国には、中国にはない強みがある。これは中国が警戒する隣国を、同盟国にする力のことだ」と論じた。
中国人民大学国際関係学院の時殷弘氏は23日、環球時報に対して、「米国の対ベトナム武器輸出の解禁は、両国が戦略的パートナーシップを構築する象徴となった。米国は共産党が依然としてベトナムの政権を握っていること、ベトナムの人権状況に不満を抱いているが、中国の台頭、中国のアジア太平洋における影響力の拡大を背景とし、ベトナムとの関係深化を選択した。米国は解禁後、ベトナムが南中国海に配備する軍艦などの武器を販売する。ベトナムは経済面でも安全面でも中国との関係を維持する必要があり、二股をかけ始めた」と分析した。
中国米国問題専門家の金燦栄氏は、「米国の対ベトナム武器輸出の解禁は、意外なことではない。これは軍事的意義は限定的だが、大きな戦略的意義を持つ動きだ。武器のほとんどがロシア製のベトナムが米国製の武器に替えようとするならば、一定期間が必要だ。米国はベトナムを抱き込むことで、好景気に沸くベトナム経済から利益を手にすることができる。また米国はベトナムを、東南アジアで物理的に中国をけん制できる唯一の国として認めている。しかしベトナムは極めて賢明で、自主性が特に強い国でもある。ベトナムは中国に備え、米国にも備えており、軽率に中国を刺激することはない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月25日
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