崔天凱・駐米中国大使は1日、米ブルームバーグのウェブサイトに「南中国海問題の溝を埋めるには」と題した署名記事を寄稿し、中国の南中国海問題における原則的立場について説明した。崔氏は、南中国海は中米両国の駆け引きの場になるべきではなく、両国は同地域および世界のその他の地域で協力を展開する大きな余地を残していると指摘した。記事の要約は下記の通り。
中米両国の南中国海問題をめぐる対立が関心を集め、懸念されている。しかし米国、あるいは世界のその他の場における、中国の南中国海に対する措置と意向に関する認識には、間違いがある。事実を理解し、中国の意図を正確に読み解き、誤解により真の危機と悪い結果が生じることを回避する。これは現在の差し迫った任務だ。
南中国海問題の実質は、領土・海洋管轄権の係争だ。中国は自国の長期的・合法的な領土の主張と海洋権益を守ろうとしているに過ぎない。中国側は、米国の最近の一部の発言と軍事的配備が、地域の緊張を激化させたと考えている。関連する言行をコントロールできなければ、中米が回避しようとしている「軍事化」を引き起こすことになる。
中国は「国連海洋法条約」を順守し、フィリピンが申し立てた国際仲裁を受け入れるべきと主張する人がいるが、同条約による中国の合法的な権益を否定しようとしているのも同じ人たちだ。同条約は領土主権問題に適用されないが、フィリピン側の仲裁の重要内容は領土主権に関わる。中国は仲裁に参与せず、受け入れることもない。中国は仲裁裁判所に管轄権がないと判断するからだ。米国は同条約によって中国を批判しようとしているが、現在も同条約への加盟を拒否している。
「航行の自由」という概念についてだが、米国はこれを常に南中国海で行動する理由にしている。米国による「航行の自由作戦」は、同条約の航行の自由に対する線引きを脅かそうとしている。米国は同条約の関連規定が、米海軍の世界における活動の自由を束縛していると考えている。