南中国海は、国際海運貿易にとっての重要な通路である。中国は、南中国海海域における水上交通安全の保護で、いかなる活動を展開してきただろうか。南沙諸島の関連する進駐島礁での5基の大型灯台の起工・建設は、南中国海海域における航海保障や海上捜索救助などの改善にいかなる意義を持っているのか。
交通運輸部の徐成光報道官によると、中国は少しずつ、南中国海海域の民用航海保障インフラの建設を強化してきた。南沙諸島の関連する進駐島礁上では、「華陽」などの5基の大型多機能灯台が建設され、そのうち4基はすでに使用開始され、1基もほぼ完成し、まもなく使用開始となる。これら5基の大型灯台は、総合ナビゲーション・航行支援サービスの提供が可能で、中国が南中国海海域に建設した重要公益性サービス施設となっている。また中国は、西沙諸島の水域にも晋卿島などに4基の小型灯台、永興島などに4基の船舶自動識別系統ベースステーションを建設し、西沙諸島の重点水域における電波の全カバーを実現している。また海上安全情報放送業務も開始し、西沙諸島と中沙諸島の水域における電波のカバーを実現している。
交通運輸部海事局党組の許如清書記は、「中国はこれまでに、上述の水域にすでに、31基の民用航路標識施設を建設している。島礁における灯台や小型灯台の建設、船舶自動識別系統や海上安全情報放送系統の電波のカバーによって、中国の南中国海海域における民用航海保障インフラのネットワークは次第に形を整えつつある」と語った。
許如清氏によると、南沙諸島の関連する進駐島礁に中国が建設した灯台には主に3つの機能がある。第一に、国際航路通航の安全保障。第二に、海上捜索救助や防災減災へのインフラサポートの提供。海南省捜索救助センターの統計によると、南中国海海域で発生した船舶事故で中国が救助に成功した国内外の人員は2013年から現在までに3396人にのぼっている。第三に、船舶の石油流出のリスクを引き下げ、南中国海の海洋生態環境を保護する。
交通運輸部海事局巡視員の鄭和平氏によると、船舶の安全な航行を保障するため、中国は南中国海海域における民用の公益目的のナビゲーションシステムの建設を引き続き進め、海上のセキュリティ通信ネットワークを構築し、水域の測量と製図を行い、船舶自動識別システムなどを建設し、航行する船舶に効率的で総合的な航海保障サービスを提供する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月13日