消息筋によると、中国は初の移民事務局の設立に向け準備を進めている。今年上半期に中国公安部の内部で開かれた会議でも、本件が検討されたという。シンガポール紙ストレーツ・タイムズが伝えた。
中国は海外人材招聘を、製造業と投資への過度な依存を弱め、「中所得国の罠」を回避する手段としている。移民事務局の設立は、この観点を実行に移すための最新の動向だ。中国・グローバル化シンクタンクの王輝耀主任は「中国は過去数十年であれば、このような部門を設立する必要はなかった。国内の人口ボーナスだけでも、経済の2桁台の成長を維持できたからだ。しかし今の中国は新たな海外人口ボーナスにより、経済成長を頭脳により支える必要がある」と指摘した。
中国で暮らす外国人は60万人で、中国の14億人の人口のごく一部を占めるのみだ。ビザ規制、汚染問題、法整備の遅れは、海外人材招聘の問題点となっている。中国・グローバル化シンクタンクの調査によると、2001−10年に中国で永住権を獲得した外国人は7300人のみ。中国政府は特に技術・核心的人材への、「グリーンカード」の発給要件を緩和している。
しかし国家行政学院の汪玉凱氏は、「移住のハードルは依然として非常に高くなる。移民事務局を設立し、新たな移民政策を導入しても、政府は慎重に選ばなければならない。開始段階では、非常に小規模な枠となる。中国が必要としているのはエリートであり、不要な人間の殺到を認めることはない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月24日