THAAD配備問題、朝鮮の核問題をめぐる安保理の団結を損ねる

THAAD配備問題、朝鮮の核問題をめぐる安保理の団結を損ねる。

タグ: THAAD配備 安保理

発信時間: 2016-08-11 15:05:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を、朝鮮のミサイル発射と関連付けるべきかについて、中米の間で深刻な食い違いがあったため、国連安保理は9日の声明採択を見送った。「環球時報」が伝えた。

朝鮮は今月3日、日本海に弾道ミサイル2発を発射した。うち1発は空中で爆発し、もう1発は約1000キロを飛行したあと日本の排他的経済水域に落下した。米国は直ちに安保理に対して、朝鮮のこの行為を批判する声明を採択するよう求めたが、中国は次の内容を盛り込むよう提案した。つまり、関連国は相互の挑発を引き起こし緊張をエスカレートさせうるすべての行動を回避するべきであり、朝鮮の核の脅威とミサイル計画を口実に北東アジアに新たなミサイル迎撃拠点を設置するべきではないということだ。

中国のこの主張は、米韓が配備を計画しているTHAADに向けられた。安保理の議論は、膠着状態に陥った。韓米がTHAAD計画を発表してから、中米の対立により朝鮮のミサイル発射について意見を一致させられないという事態が、2か月内に2度も発生した。

米韓のTHAAD配備の决定は、北東アジア情勢に新たな問題をもたらした。朝鮮の核保有への反対によって形成された国際協力構造が乱れ、北東アジア情勢の質に変化が生じている。米韓・米日同盟が持つ冷戦のカビ臭い匂いが漂っている。

中国には朝鮮の核兵器・弾道ミサイルの発展を奨励する動機がない。中国が安保理による朝鮮への制裁を支持していることから、中朝関係がある程度損なわれた。米韓は現在、朝鮮の核の脅威への対応を理由にTHAAD配備を計画しており、中国の安全の利益を直接損ねている。これは背後から中国を刺したことに他ならない。

朝鮮の核保有の原因となっているのは、米韓による長期的な軍事圧力だ。米韓はさらなる軍事的恐喝を行い、朝鮮の核兵器・ミサイル開発との間に「鶏が卵を産んだのか、卵が鶏を産んだのか」というパラドクスを形成している。中国は本来、双方が溝を埋めるため協力する第三者であったが、THAAD配備はまさに米韓の「恩を仇で返す」行為と言える。

半島問題は複雑で、各国の焦燥が入り混じっている。しかしTHAAD配備は一方的な利益を求め、構造を軽率に打破する乱暴な行為だ。これは中韓関係を大きく後退させたばかりか、中米の北東アジアにおける協力をも崩壊させる。各国にとって、半島および北東アジア問題は一からやり直しとなった。

しかし皮肉なことに、中米がTHAAD問題でどれほど駆け引きを展開しても、2大国の関係が大きく損なわれることはない。中米関係の世界的な規模と性質により、非常に広大な駆け引きの空間を持つが、なみなみならぬ許容力を持つ。しかし韓国が米国の「THAADの代理人」として中国と対立するならば、自国を地域の危機の渦中に陥れるだろう。

中国には韓国を傷つけるつもりはなく、韓国も中米の駆け引きの膠着地帯を避けるよう努力するべきだ。中韓は友好国であり、韓国は中国に何かを強いるべきではない。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年8月11日

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