原発が密集する韓国の慶尚北道慶州市付近でこのほど強い地震が続いており、原発の安全問題が韓国人の注目を集めている。聯合ニュースが伝えた。
韓国水力原子力(韓水原)によると、韓国の原発はM6.5-7.0クラスの地震にも耐えることができ、今回のM5.8の地震でも何ら異常はなかったと表明した。韓国の原発の耐震設計基準は、2011年の福島原発事故後に強化された。現在の原発の耐震設計値はM6.5で、建設中の新しい原発はM7.0ほど。
韓水原によると、日本の原発の半数ほどが沸騰水型軽水炉方式であるのに対し、韓国の原発の大部分が加圧水型軽水炉であり、技術と安全性がより優れているという。日本の原発は、原子炉の冷却水を直接煮沸することで、水蒸気を使いタービンを動かしている。韓国の原発はこれを切り離しており、放射性物質が漏洩する可能性は低い。メルトダウンが起こった場合も、韓国の原発は電力を使わずに水素複合システムを稼働できるため、水素爆発が発生することはない。
韓国で建設中の原発は、立地に関する段階的な調査を徹底していた。韓国の原子力安全法によると、原発から半径320キロ内の地域の書類を調査し、さらに人工衛星写真の分析などにより広範な地域内の調査を行う。それから40キロ、8キロ、1キロ内の地質構造、断層の分布、岩質などの分析を行い、断層の年代を特定し、海洋物理調査を行う。
韓国慶熙大学原子力プロジェクト学部の鄭範振教授は「原発の危険性は誇張されている。M6.5の地震はM5.8の約11倍の強度を持つが、原発の地下で地震が発生しても耐えられる。M6.5以上の地震が発生しても原発が倒壊することはない。原発は耐震設計値の1.6倍の地震にも耐えられる」と話した。
韓国政府はその一方で、原発24基の基礎強化を行っており、2018年4月には耐震設計値がM6.5からM7.0に引き上げられる。2017年末までに慶州市付近の原発で試験を行い、安全性を確保する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月22日