南中国海の係争を棚上げにし、中国は良い国だと称賛した――AFP通信は19日、フィリピンのドゥテルテ大統領が訪中し行った初の記者会見で、このような観点を示したと報じた。ドゥテルテ大統領の訪中で見せ場となる、20日の中国首脳との会談に伴い、南中国海問題の「ソフトランディング」、中比経済・貿易協力のアップグレードへの予想が強まっている。
中国外交部の華春瑩報道官は19日、両国が手にする可能性のある成果について「中比は南中国海問題で、二国間対話・協議による関連係争の適切な処理という正確な軌道に回帰しつつある。これは友好的隣国との交流のあるべき道だ。中国は誰が友人であるかを自ら判断でき、どの問題において友人としての手段で処理すべきかも把握している」と語った。
訪中2日目の19日、ドゥテルテ大統領は宿泊中のホテルで、中国在住のフィリピン人と会談し、記者会見を行った。ドゥテルテ大統領は、「私は就任後、国の外交政策を見直した。敵を作るのではなく、多くの友人と交わりたい。今回の国事訪問は、中国人と中国政府に敬意を表するためだ。中国はフィリピンのほんの少しの土地も侵略したことがない。中国は冷戦中、意図的に悪人として描写された。私たちが当時、本で読んだのはいずれも、西側がコピーした宣伝資料だった」と述べた。南中国海問題については「中国にはその歴史的権利があり、比中が一歩も譲っていない。この状況下、私たちは争うべきだろうか、対話するべきだろうか。私は、後で話し合おうと言うだろう」と話した。
南中国海問題を双方の対話に影響させない。これはドゥテルテ大統領が最近繰り返している観点だ。ドゥテルテ大統領は18日に北京でホテルに宿泊した際に、記者から南中国海問題について質問されたが、「これは一つの議題にすぎない。言及されるだろうが、ハードではなくソフトランディングするだろう」と答えた。ロイター通信によると、フィリピンのヤサイ外相も19日に北京で、「フィリピンと中国の海上係争は長年、さらには一生の時間を費やさなければ解決できないかもしれない。しかしこれは、比中の二国間関係促進の障害になるべきではない」と表明した。