次に、米露関係に一定の改善があったとしても、中露の全面的な戦略協力パートナーシップを実際に脅かすことはない。中露は国境問題を解決済みであり、両国には価値観をめぐる対立もない。ロシアが最も苦しんでいる日々に、中国はこの隣国とプーチン大統領を尊重し続けた。両国の友好と戦略的協力は、試練を乗り越えている。
中露関係はロシアの長期的な戦略的資産になっている。他方面の変動により、この優れた関係が損なわれるのは非合理的だ。ましてやロシアは米国に翻弄されたことがあるのだからなおさらだ。ロシアにとって、米国との関係を改善すると同時に中露関係を強化することが、最も利益にかなっている。
ロシアが独自の外交を捨て、米国の戦略の協力者に成り下がることは絶対にない。国際舞台の中心に立ち続けたいならば、トランプ氏に招待されたからといって、その「世界の内閣」に参加を申し込むことはない。
大国には基本的な平常心というものがある。西側は常にインドを抱き込み、インドと中国の競争の性質を変えることで、中国のアジアにおける強力なライバルにさせようとしている。しかしインドはこの罠にかかったことがない。中印間の具体的な問題は近年減少していないが、インドは中国との実務的な態度を維持しており、両国関係の全体的な安定を維持している。
中国人は米露の関係改善問題で、自信と平常心を強めるべきだ。中国は、米露の関係改善を楽観するべきだ。そうすれば中国が絶対的な立場を表明しがたく、どちらかに肩入れできない時の苦しみを減らすことができる。中国の多くの友好国は、同時に米国との良好な関係を願っているが、中国はそのことを不都合と感じていない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月14日