フィリピンのドゥテルテ大統領はこのほど、日本の安倍晋三首相からのミサイル供与の提案を辞退したと発表した。ドゥテルテ大統領は15日、フィリピンが正式に2017年のASEAN議長国になったと宣言した。15日付フィリピン紙『The Philippine Star』によると、ドゥテルテ大統領はASEAN議長国就任式の談話で南中国海問題に言及せず、フィリピンの今年の要務は平和と安定の促進、海上安全・協力の模索だと述べるにとどまった。
同紙によると、ドゥテルテ大統領は14日にダバオ市商会で講演を行った際に、上述した意志を表明した。「安倍首相が自らフィリピンへのミサイル供与を提案したが、私は第三次世界大戦を起こしたくない。第三次世界大戦を起こせば、地球の破滅を意味する。私は安倍首相に対して、ミサイルは必要ないと伝えた。米露首脳は他国との友好関係を模索している。プーチン大統領は調和的な態度をとり、トランプ氏もそうだ」報道によると、ロシアがフィリピンへの潜水艦の供与を検討するなか、日本が自らミサイル供与を持ちかけた。しかしフィリピンのロレンザーナ国防相は、フィリピンには現在、ロシアの潜水艦を購入する余裕はないと表明した。
報道によると、ドゥテルテ大統領は15日、フィリピンが正式に2017年のASEAN議長国になったと宣言した。フィリピンの放送局「ABS-CBN」によると、ドゥテルテ大統領は式典で「ASEAN議長国のフィリピンは、海上安全と法治の促進、地域の安定と海上安全を2017年のASEANの急務とする。我々は国民を中心とし、地域の平和と安定に向け努力し、海上安全・協力を求め、包括的な革新駆動形の成長を促進する」と表明した。
中国現代国際関係研究院の学者である劉軍紅氏は、日本からのミサイル供与を辞退したことについて「ドゥテルテ大統領は、安倍首相からのミサイル供与の提案が突飛であると感じ、辞退したのだろう。今の世界は戦時中ではない。この状況下、安倍首相の提案は他国に戦いの火種を持たせようとするものだ。この提案は誰であっても拒否するだろう」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月16日