習近平国家主席はスイス・ダボスで17日、世界経済フォーラム(WEF)2017年年次総会(ダボス会議)の開幕式に出席し、「共に時代の責任を担い、共に世界の発展を促す」と題する基調講演を行った。習主席の発言内容の要旨は下記の通り。
経済グローバル化は、社会の生産力発展の客観的な需要、科学技術の進歩の必然的な結果だ。経済グローバル化は世界経済の成長に力強い動力を提供し、商品と資本の流動、科学技術と文明の進歩、各国の人々の交流を促進した。経済グローバル化は確かに新たな問題をもたらしたが、世界を苦しめる問題を単純に経済グローバル化のせいとするのは事実に合致しておらず、問題の解決も促さない。私たちは経済グローバル化に適応し、これを上手くリードし、悪影響をなくし、各国・各民族により良く利益をもたらすようにするべきだ。私たちは積極的に行動し、適度に管理することで、経済グローバル化のプラスの効果をさらに引き出し、経済グローバル化のリバランスを実現するべきだ。私たちは大勢に順応し、国情と結びつけ、経済グローバル化の歩みとリズムに溶け込むことを正確に選択するべきだ。私たちは効率を求め、公平を重視し、各国・各階層・各グループが経済グローバル化のメリットを手にできるようにするべきだ。
現在、世界経済の3つの際立った問題が、効果的に解消されていない。世界の成長の動力が不足しており、世界経済の持続的・安定的成長を支え難くなっている。世界経済ガバナンスが滞り、世界経済の新たな変化に適応し難くなっている。世界の発展のバランスが失われ、人々の美しい生活への期待に答え難くなっている。そのため私たちは革新駆動を続け、活力あふれる成長モデルを構築するべきだ。次に共同と連動を貫き、開放的でウィンウィンな協力モデルを構築するべきだ。それから時代とともに歩み、公正で合理的なガバナンスモデルを構築するべきだ。最後に公平と包括を貫き、バランスの取れた全体に利益をもたらす発展モデルを構築するべきだ。
中国の発展は世界のチャンスだ。中国は経済グローバル化の受益者であり、さらに貢献者である。中国経済は高度成長し、世界経済の安定と成長を持続的に力強く促進している。中国は多くの国と共に発展し、世界の経済発展のバランスを整えている。中国の貧困削減の大きな成果により、世界の経済成長がより包括的になっている。中国の改革開放の推進を継続し、開放型世界経済に相乗りすることを歓迎する。
中国経済が長期的に好転するファンダメンタルズに変化はない。私たちは革新・協調・グリーン・開放・共有の発展理念のもと、中国の経済発展の新常態に絶えず適応し、把握し、これを導く。安定成長、改革促進、構造調整、国民生活の重視、リスク管理を全体的に把握し、中国経済の中高速の成長の維持、中高水準への邁進を促す。中国は経済成長の質と効果の向上に尽力し、成長の動力と市場の活力を絶えず引き出し、緩やかで秩序ある投資環境を積極的に構築し、共同発展の対外開放構造の建設に力を入れる。
私が「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)を提案してから3年以上に渡り、すでに100以上の国と国際組織が積極的に反応し、支持を表明している。40以上の国と国際組織が中国と協力協定に署名しており、一帯一路の輪が広がり続けている。中国企業は沿線諸国に500億ドル以上を投資しており、一連の重大プロジェクトが推進されている。各国の経済発展をけん引し、多くの雇用機会を創出している。一帯一路は中国が提案したが、その成果と効果は世界に及ぶ。中国は今年5月、北京市で一帯一路国際協力ハイエンドフォーラムを開催し、現在の世界・地域経済が直面している問題を解消するための案を模索し、一帯一路の建設がより良く各国の人々に利益をもたらせるようにする。
今年のダボス会議のテーマは「即応する、責任あるリーダーシップ」だ。50人弱の国家元首もしくは政府首脳、および政治・経済・学術・メディアなどの各業界の関係者約1700人が開幕式に出席した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月18日