南中国海情勢に小春日和?フィリピン漁業代表団が中国で研修

南中国海情勢に小春日和?フィリピン漁業代表団が中国で研修。

タグ: 南中国海 漁業 フィリピン

発信時間: 2017-01-19 13:57:22 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

夜の深セン市は、静寂に包まれていた。七星湾は満点の星空を反射し、高い棕櫚の木がさらさらと音を立てる。この静けさのなか、港湾都市は密かに特殊な客、フィリピン漁業代表団を迎えた。中国農業部の研修に参加し、中国最先端の水産物養殖技術をフィリピンに持ち帰るという、一つの目的しかなかった。

中国人専門家は研修で、フィリピン代表団にいけす養殖、繁殖、栄養価の高い餌などの技術について詳細に説明した。フィリピンの漁師は高い関心を示し、代表団のメンバーは特に深海いけす養殖技術に注目した。

このような漁業研修の裏には、より深い意味が含まれるかもしれない。中国漁業代表団が昨年11月にフィリピンを訪問し、このプロジェクトについて言及した際に、現地紙『フィリピン・デイリー・インクワイアラー』は「中国の当局者は現地の漁師に対して、比中首脳が黄岩島問題で生じたわだかまりをなくすよう努力していると表明した」と伝えた。中国の当局者は今回の研究でも、フィリピン代表団に「双方の関係が良好であれば、中国は全力を尽くし必要な援助を行う」と繰り返した。

フィリピンは中国が差し伸べてきた友好の手を、間違いなく歓迎している。今回の交流プロジェクトは、中国の提案から実施までわずか2ヶ月しかたっておらず、フィリピン側の意欲の程が伺える。中国の巡視船も昨年10月より、黄岩島付近の海域で創業中のフィリピン人漁師を追い払わなくなった。これらのすべてが、両国が南中国海問題である種の黙契を形成したことを証明しているようだ。

中国は漁業の協力により、周辺諸国との関係を改善しているように見える。先ほどベトナム共産党のグエン・フー・チョン中央総書記が訪中した際に、両国は北部湾(トンキン湾)漁業資源の放流・養殖・保護の協力に関する覚書に署名した。

今回の研修に参加した中国漁業専門家は、環球時報の記者に対して「海洋資源不足は、世界の大半の海洋問題の根源になっている。漁師が近海で養殖業を発展させることができれば、遠洋漁業の需要が減る。そうなれば対立が生じる可能性も低くなる」と話した。

中国海洋問題専門家の劉鋒氏は、環球時報のインタビューに応じた際に、次のように述べた。

南中国海情勢は今年、小春日和が続く。経済協力が、昨年より緊張している南中国海仲裁案の代わりになる。これは地域の大きな流れだ。中国とフィリピン、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどとの二国間関係は最近、安定的に促進されている。

世界経済の回復が遅れるなか、経済発展、国民生活の改善は、ASEAN諸国の政府の重要任務になる。中国との経済貿易協力は、各国の多くの低・中所得層の利益に関わり、指導者の支持率に直接影響を及ぼす。そのため二国間の政治関係に対して、前向きな「反作用」を生む。日本の安倍晋三首相は巨額の援助を携え、フィリピンとベトナムを訪問した。トランプ氏の就任後、ドゥテルテ大統領と米国の関係も再び改善される見通しだ。しかし中国とASEAN諸国が各分野における実務的協力の流れを形成し、これを固めれば、米日が再び東南アジアで「寒の戻り」を起こそうとしても難しいだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年1月19日

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