「南中国海行為準則」、地域安定の錨に

「南中国海行為準則」、地域安定の錨に。

タグ: 南中国海行為準則 南中国海各方面行為宣言 ASEAN

発信時間: 2017-02-23 14:25:11 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

フィリピンのボラカイ島で先ほど開かれたASEAN外相会合で、「南中国海行為準則(COC)」が注目を集める話題になった。ASEAN外相はCOCをめぐり、多くの共通認識を形成した。中国はこれまでCOCに向け積極的な立場を示してきたが、中国とASEANは2017年にCOC交渉で重要な進展を実現することになりそうだ。

まずCOCの締結は、南中国海の平和と安定に対して深い意義を持つ。2002年に「南中国海各方面行為宣言(DOC)」が締結されると紆余曲折を経たが、南中国海で「情勢安定、協力促進」の効果を発揮した。COCはDOCの一つの目標であり、DOCの実行と徹底を示す。両者は切り離されておらず、互いにつながっており、共に全体をなす。今やDOCの実行を基礎とし、強制性の高いCOCを締結することで、中国とASEAN諸国の相互信頼の基礎を固め、双方の互恵協力に向け優れた条件を整えることができる。これはある意味、南中国海安全メカニズムの補完において、長期的に存在する現実的な不足を補うこともできる。南中国海の平和のビルを構築する「堅固な基盤」と言える。

次にCOC締結の機が熟しつつある。中国とASEAN諸国は長年に渡り、10数回の長官級会合、一連の各レベルの会合を開いており、COCの制定に関する問題をめぐり十分に意思疎通し、多くの共通認識と収穫を手にし、COC交渉加速に向け基礎を固めた。2014年11月13日に第17回中国・ASEAN首脳会談で発表された議長声明は、DOCの全面的かつ効果的な実行を継続することを再確認し、合意を踏まえた上でCOCを早期締結するとした。これはCOCの推進が、加速したことを意味する。

中国とASEANの地域協力は現在、新しい特殊な段階を迎えている。米国のトランプ政権がTPP離脱を宣言し、一部の東南アジア諸国に心理的なショックをもたらした。各国は直ちに政策を是正し、中米の駆け引きにおける位置を調整しなければならない。地域包括的経済連携(RCEP)への参加を急ぎ、中国経済に便乗する。これは実務的で賢明な選択であり、ASEAN全体の実力と団結を強化できる。その一方で、中国は協力とウィンウィンという開放的な立場を貫き、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の推進に尽力し、地域経済協力圏と中国・ASEAN自由貿易区のアップグレード版を積極的に構築している。南中国海は21世紀海上シルクロードの建設の重要エリアであり、外部の勢力からの妨害を取り除き、地域の平和と安定を維持することが極めて重要だ。中国とASEAN諸国が緊密に連携し、COCの締結を加速することは、双方の戦略的需要である。

最後に、中国はCOCの原則的な立場について説明する必要がある。例えばCOCをめぐる交渉は「南中国海仲裁案」と関連しないということだ。このページはとっくにめくられており、COCの障害になることはなく、なるべきでもない。COCは中国とASEAN諸国の問題であり、米日などの域外の大国に介入する権利はない。COCに難癖をつけるのには私心があり、外部の勢力が南中国海に介入する口実を設けようとしている。COCが構築するのは衝突をコントロールするメカニズムであり、紛争解決メカニズムではない。南中国海問題の最終的な解決は、中国と当事国の二国間外交協議にかかっている。「デュアル・トラック・アプローチ」構想により南中国海問題を処理するという中国の主張は、国際社会から承認を得ている。

今年はASEAN誕生50周年であり、中国とASEANの協力深化の重要な一年だ。東アジアの戦略構造に深い調整が生じるなか、中国とASEAN諸国がいかに団結し、南中国海の平和と発展を共に協議すべきかは期待に値する。(筆者:劉鋒海南師範大学海上シルクロード研究院研究員)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月23日

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