「理解します。だから待っています」――そんな煽情的な中国語タイトルは、韓国ロッテグループが考えたものだ。韓国の主要ホテルやデパート、免税店などで24日から張り出されたポスターで、中国人観光客に向けたものだ。これについて、韓国メディアが26日、大々的に報じている。韓国紙「中央日報」は、韓国政府に頼ることができないロッテが「最後の手段として感情に訴える手段に出た」と報道した。
韓国紙「毎日経済」は26日、2月末にTHAADの用地を政府に提供して以降、ロッテは中国で様々な不買運動に遭っているとした上で、その問題の深刻さに気づいているであろうロッテが最近、積極的に対中PRを行っており、中国市場を絶対に手放さない明確な意思を表していると評する。3月24日からロッテは、中国人観光客が比較的多いロッテ百貨店の出入口やカウンター、コンビニ店などで大きな中国語のポスターを張り出している。上段には大きな中国語の文字で「理解します。だから待っています」、下段には小さな文字で「十寸の光陰と十年の心。ロッテは変わらずあなたの心にあります。だから私たちはあなたを理解しています」と書かれている。その意味は、「中国の人たちがいま怒りの気持ちを持っていることをロッテは理解しており、今後中韓関係が改善するのを待っている。中国の皆さんは忘れずにロッテのお店にお越しいただきたい」ということだ。
ロッテは中国で「集中攻撃」に晒されている。店舗の3分の2が営業停止状態にあり、毎月の損失は1000億ウォンを超える。中国市民もロッテ不買運動を起こしており、ロッテ免税店の当月販売額は昨年同期比で25%ダウンした。韓国政府に土地を提供したいと考え続けていたロッテグループは、全く希望を持てない中、危機感が深まるばかりだった。そのため、自ら救済する行動を採ったのだった。記事によると、ロッテグループの李鐘鉉常務は、「中国メディアにロッテの事情を説明してもらおうとしたが効果が薄く、最後の手段として韓国内の店舗に巨大ポスターを掲げ、中国人の口コミを通じて中国市民にロッテの立場を伝えてもらおうと考えた」と述べる。今のロッテにとって中国は重要な市場だ。グループ売上総額の10%を中国市場が占める。ロッテ幹部は匿名を条件に、「万一THAAD問題が長引けば、中国事業から撤退する可能性があり、そのときの損失は10兆ウォンになるだろう」とコメントしている。