フィリピンのドゥテルテ大統領は1日、自らの出身地であるダバオを訪問中の中国軍艦に乗艦した。中国海軍のフィリピン訪問は7年ぶりだ。フィリピンと国際社会は訪問について、比中関係の顕著な好転という「積極的なメッセージ」との認識で一致している。環球時報が伝えた。
AFP通信はドゥテルテ大統領の中国軍艦乗艦について、両国関係の急速な好転を示すものだと報じた。これに先立ち、フィリピンの首都マニラで行われた第30回ASEAN首脳会議は4月30日、南中国海問題について「最近の地域情勢の推移に対して一部指導者が表明した懸念に留意する」とするのみの穏やかな議長声明を発表した。報道によると、フィリピンは今年のASEAN議長国だが、その議長声明は例年よりも穏やかで、南中国海での島・礁建設には触れなかった。
このような声明に、一部西側メディアは「失望」。「中国は依然ASEANを統治」などの見出しが次々と現れた。様々な非難に対して、ドゥテルテ大統領はサミットで、ASEANで南中国海問題を話し合うのは「自ら面倒を引き起こすもの」「時間の無駄」と指摘。
「『黄金時代』が中国とASEANの新たな流行語となった」。スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」(1日付)によると、ASEAN首脳会議のムードには変化が生じた。現在、中国は南の近隣諸国から経済的柱と見なされており、ASEAN諸国は中国との関係接近の重要性をより強く感じるようになっている。特にこの変化を最も顕著に示しているのが、今年のASEAN議長国のフィリピンだ。
ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」によると、人口6億人余りのASEANにとって今回のサミットは極めて重要な時期に開催された。ASEANは設立50周年にあたり、競争し合う大国である米中の間で自らの位置を定めなければならない。ドゥテルテ大統領は外交政策面で大きな転換を果たし、伝統的同盟国である米国から離れて、近隣国でありビジネスパートナーである中国との関係を改善している。これは地域全体にも影響を与えている。ラオス、カンボジア、タイはとうに北京と緊密に協力しており、マレーシアとインドネシアも最近中国に接近している。中国はASEAN加盟国間の口論の対象ではなく、ASEAN設立50周年にあたりその団結の助けになってさえいる。現在ASEAN加盟国は貿易や統合など自らの好む議題に専念することができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年5月2日