米国のトランプ大統領は5月20、21両日、就任後初の外遊先であるサウジアラビアを訪問した。トランプ大統領は48時間でサウジ、湾岸諸国、アラブ諸国の首脳と3回会議を行ったほか、エジプト、カタール、パキスタン、バーレーンなどの首脳と個別に会談し、多くのメッセージを発した。北京日報が伝えた。
■初の外国訪問にサウジを選んだ理由
アナリストによると、トランプ大統領には大きな理由が2つあった。
まず、中東地域とイスラム世界におけるサウジの強い影響力の力を借りて、イスラム世界と建設的関係を発展させ、選挙期間中の反イスラム発言及び就任後のイスラム教徒入国制限がイスラム世界に残した自らの悪いイメージを変え、さらにはイスラム世界との関係を安定化させることで西アジア・北アフリカ地域における米国の地政学的戦略上の利益を確保することを望んだ。次に、地域の大国イランに対するサウジなど湾岸諸国の「畏怖」を利用して武器の売り込みに力を入れる。サウジ訪問中、両国は2800億ドルの商談で合意し、このうち武器売却額が1100億ドルに上った。米側はサウジが「イランの脅威に対処し」「サウジと湾岸地域の長期的安全を守る」助けになるとした。だが、この取引が「米国に数十万人の雇用を創出する」ことにも目を向ける必要がある。
■中東政策に変更はあるか
トランプ大統領は訪問時、80年近くに及ぶサウジとの伝統的な同盟関係を立て直し、オバマ政権時にシリア問題やイランの核開発問題で損なわれた湾岸諸国との関係を修復すると大仰に宣言した。
トランプ大統領は今回の訪問で、オバマ前大統領と明確な一線を画すべく努力し、サルマン国王と政治、安全保障、経済、軍事など各分野で共同戦略協定に調印した。また、多国間及び二国間の場で、テロを支援し、宗派衝突を煽り、地域の覇権を求めているとイランを繰り返し批判し、オバマ前大統領の「中東から手を引く」政策を変えると公言した。
こうした姿勢表明にサウジなどの国々は拍手喝采したが、多くは政治・軍事的支持のレベルにとどまっており、中東における米国の軍事配備など具体的な問題の調整には言及しなかった。米国が今後どのような形で「中東を深く耕す」のか、それとも「中東から手を引く」のかは、トランプ政権のテロ対策の必要性及び地域情勢に対する判断次第だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年5月24日