米国の国防長官と日本の防衛大臣のシャングリラ会合(アジア安全保障会議)における南中国海などの問題に関する発言について、中国外交部の華春瑩報道官は4日「一部の域外国はあくまでも流れに逆行し、南中国海問題について間違った発言を繰り返し、事実を無視し、黒白を転倒しているが、これには完全に下心がある」と表明した。中国外交部のウェブサイトが伝えた。
記者からは「米国のマティス国防長官と日本の稲田朋美防衛相が3日のシャングリラ会合で、南中国海や台湾などの問題について発言した。これについては、どのように論評するか」という質問があった。華報道官は次のように回答した。
中国側は米国と日本の関係者による無責任な発言に留意しており、これに強い不満と断固反対を表する。中国は南沙諸島及び付近の海域に、異論の余地なき主権を持つ。中国は南中国海の領土主権と海洋権益を毅然と守ると同時に、関連当事国との直接的な交渉と協議による係争の平和的解決を通じ、ASEAN諸国と共に南中国海の平和と安定を守ることに終始力を尽くしている。
中国は一貫して、各国の国際法に基づく南中国海における航行・飛行の自由を尊重しているが、一部の国が航行・飛行の自由を旗印とし南中国海地域で武力を誇示し、中国の主権と安全を挑発し脅かすことに断固反対している。
中国の南沙島礁における関連施設の建設には、駐在人員の勤務・生活条件を改善し、主権をより良く守り、中国の国際的な責任と義務を履行するという目的がある。中国が自国の領土に必要な国土防御施設を配備するのは、主権範囲内のこと、主権国家が持つ自衛権に当たり、いわゆる「軍事化」とは関係がない。
地域諸国の共同の努力により、南中国海情勢は徐々に沈静化し、積極的な発展の流れを形成しつつある。中国とフィリピンは仲裁案を含む南中国海問題の適切な処理について共通認識を形成しており、南中国海問題の二国間協議枠組みの第1回会議の開催に成功した。中国とASEAN諸国は「南中国海行為準則」枠組みを形成した。これは中国とASEAN諸国の「南中国海各方行為宣言」に続く、効果的な地域ルールの制定の具体的な努力だ。
この背景下、一部の域外国はあくまでも流れに逆行し、南中国海問題について間違った発言を繰り返し、事実を無視し、黒白を転倒しているが、これには完全に下心がある。中国側はこれに断固反対し、関連国に対して無責任な発言を停止し、地域諸国の南中国海の平和と安定を守る努力を十分に尊重し、これに向け建設的な力を発揮するよう求める。
中国と日本は東中国海で、釣魚島の領土問題、海洋境界線の問題を抱えている。釣魚島及びその付属島嶼は古来、中国の領土だ。中国政府の公船の関連海域における巡航と法執行は正当であり、合法だ。領土主権と海洋権益を守る中国の決心と意志は確固不動のものであり、今後も関連巡航・法執行活動を継続する。日本側の関連発言は事実を無視し、黒白を転倒しており、反論に値しない。中国側は日本側に対して、中日関係の改善と地域の平和・安定に向け、建設的な努力をするよう求める。
中国側の台湾問題における立場は明確であり、一貫している。中国側は米国が一方的に制定したいわゆる「台湾関係法」に一貫して断固反対しており、米国に中国の政策と中米・3つの共同コミュニケの原則を遵守し、台湾への武器販売を停止し、すべての形式の公式交流と米台の実質的な関係の格上げを停止し、実際の行動により中米関係の大局と台湾海峡の平和と安定を守るよう求める。関連国のTHAADシステム配備反対に関する中国の立場は明確であり、一貫している。我々は関連国に対して、配備の関連作業を直ちに停止するよう求める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月5日