ラジオ番組「中国之声」によると、中国は25日に27回目の全国「土地デー」を迎えた。今年のテーマは「土地とエコ文明建設」。国土資源部(国土資源省)土地整備センターの鄖文聚副センター長は「中国之声」の特別番組で、重点的対策を要する問題として、華北地域の地下水位低下、東北地域の黒土退化、南方の一部地域の重金属・有機汚染を挙げた。
人口が多く土地の少ない中国では両者間のアンバランスが依然際立っている。第13次五カ年計画期間も土地の整備を通じて耕地を補充する必要がある。だがこれまで一部地方では土地開発による環境破壊が見られてきた。今年初めの「全国と地整備計画(2016~2020年)」は土地整備によって耕地約133万ヘクタールを補充する方針を打ち出した。このうち耕地に適した未活用地の開発によって耕地約34万ヘクタールを補充する。
これについて鄖氏は「補充する耕地面積を考慮するだけではなく、耕地の質、環境面の保護も強化する必要がある」と指摘し、重点対策を要する問題として次の3つを挙げた。(1)華北地域の地下水位低下問題。これは華北地域全体の耕地利用に対して非常に大きな影響を与えている。本来、冬の小麦と夏のトウモロコシという二毛作が一毛作になるかもしれない。環境を回復できなければ、耕地利用の前提もなくなる。(2)東北地域の黒土退化問題だ。これは近年も社会的関心が高い。(3)南方の一部地域の都市廃棄物、採鉱廃棄物が農地に入り、重金属・有機汚染をもたらしている。統計では1999~2005年に建設による耕地占用は約395万ヘクタールで、同時に耕地約492万ヘクタールを補充。「占用と補充の均衡」によって、各種建設による耕地占用のもたらす損失を補った。
鄖氏は「耕地の面積、質、環境の『三位一体』保護の強化という現実的要請の下、『占用と補充の均衡』は耕地占用による環境への影響を埋め合わせられるのかどうかも考慮する必要がある。もし埋め合わせられないのなら、たとえ同一面積、同一生産能力であっても、長期的に見て取り返せない損失がある。根源から占用を規制し、補充しなければならない。科学的工程技術によって実現しなければならない」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年6月26日