米軍撤退から26年がたつが、かつてのフィリピン・クラーク空軍基地は以前の様子を保っている。倉庫、旧兵営、訓練場、さらには元兵士の墓地がある。ここは以前、米国最大の海外空軍基地だった。この荒れ果てていた場所は、新たなビジネスエリアになろうとしている。将来的には、マニラと並んで立つことになる。クラークの発展を支援しているのは、フィリピンの伝統的な同盟国の米国ではなく、新たな友人の中国だ。
フィリピンのドゥテルテ大統領が昨年、米国から離れ中国と接近することを発表すると、中国はその改善が必要なインフラに巨額の投資を行った。これにはクラーク及び周辺地域の整備の支援が含まれる。
米デジタルメディア「クオーツ」の報道によると、クラーク空軍基地が最も繁栄していた時代には1万5000人が集まり、600平方キロメートルの土地を管理していた。今やこのマニラから北西に80キロ離れた場所は、経済特区に発展しようとしている。免税やその他の刺激策により、この特区は各業界の企業を集めている。各社は周辺地域の多くの現地人を雇用している。
ドゥテルテ大統領は昨年、価値にして240億ドルの投資とその約束を手土産に、中国から帰国した。フィリピン貿易当局によると、クラークでは少なくとも3つの発展プロジェクトが展開される。これは新クラーク都市の工業団地、クラークとスービック湾(ルソン島南西部)を結ぶ鉄道、それから中国のファーウェイが現地で建設する科学技術インフラのことだ。
これらの投資は中国の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)イニシアチブと期せずして一致している。同イニシアチブは新たなインフラ整備により、中国・アジア・中東・アフリカ・欧州を連結させようとしている。クラークに近いマニラには国際空港がある。これは中国がそれほど長く待たなくても、フィリピン支援から収益を得られることを意味する。これらのプロジェクトはまた、自ずとフィリピンに利益をもたらす。