中国の同地域における存在感が増すなか、中国の投資家の信頼性を疑い、さらにはこれらのプロジェクトによりフィリピンが中国に対して巨額の負債を抱えると懸念する声が上がっている。懸念は存在するが、多くの現地人は新たな発展を非常に歓迎している。クラーク博物館のガイドは「観光客と雇用機会が増える」と話した。
現地人が懸念しているのは中国ではなく、公共交通機関の不足だ。この地区は地方政府から独立しており、フィリピン全土で見られるジープニー(乗り合いタクシー)やオート三輪の使用が許されない。新しい道路と鉄道が、現地人に大きな利益をもたらすことは間違いない。
クラークは変化の最中にある。新たな建築物が荒れ果てたショッピングモール付近に立ち、かつてホテル、カジノ、クラブがあった乱雑で無秩序な建築群が、新たな管理により大幅に改修されている。道路が広くなり、橋が建設されている。米軍の東南アジアへの軍事力投入で中心的な役割を演じたことから、中国主導のクラークの変化は次のような明確なシグナルを伝えている。中国のフィリピン及びその他の地域での影響力が、拡大を続けているということだ。
しかし中国が存在感を増しても、米比の結びつきは依然として堅固だ。クラーク博物館には、米空軍基地の時代を物語る展示品がある。クラーク博物館のガイドは「私はこの基地で作られた。祖父が米国人だからだ」と話す。フィリピンでは米国系の住民が25万人以上いる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年7月21日