アジア金融協力協会(AFCA)の設立式が24日に北京で行われた。AFCAの設立は、2015年ボアオ・アジアフォーラムでの習近平国家主席の提唱を実行する具体的成果であり、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に続き中国側が設立を提唱した新たな地域金融組織、アジアさらには国際金融界に公共財を提供する中国側の積極的な探求でもあり、重要な意義を持つ。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学国家革新発展研究院副院長兼財経研究所所長、上海中国の特色ある社会主義理論体系研究センター研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
AFCAは設立式から2カ月余り前の5月11日に正式に北京で設立され、「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムの成果の1つともされた。すでに五大陸の107機関が創設メンバーとなっている。
AFCAはアジアさらには国際金融機関の交流・協力の促進という重要な使命を担っており、「アジアに立脚、開放的包摂」を位置付けとし、「コネクティビティと協力、共同ガバナンスと共に分かち合う」を趣旨としている。AFCAの設立は地域の金融資源配分の最適化に資し、新興エコノミーを始めとする各国の発展を支える。
第1に、アジア金融市場の整備に資し、金融リスクへの共同防備となる。落ち着いた効率的な金融システムの構築は、世界経済の持続可能な発展の重要な基礎だ。金融市場はその波及の範囲の広さとスピードの速さから、地域金融の動揺を引き起こしやすく、かねてより大変注視されてきた。1997年のアジア金融危機、2008年の米国発の世界金融危機がアジア各国にもたらした壊滅的損害はいまだに消えず、また両危機の根本的原因はいまだに取り除かれていない。現在、アジア地域経済は勢いよく発展しているが、金融協力は全体的に遅滞し、金融リスクの防備、金融市場の建設と地域経済発展ニーズとの間には大きな隔たりがある。こうした中、アジアの金融協力の強化、金融市場インフラの整備及びコネクティビティ、金融リスク防備の調整・協力体制の共同構築が大変必要かつ重要であることは明らかだ。