9月3日~5日にかけて、第9回BRICS首脳会議が厦門(アモイ)で行われる。中国がBRICS首脳会議を主催するのは2011年の三亜サミット以来2度目。今回のサミットは、折しも中国が「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)国際協力サミットフォーラムを成功させ、「一帯一路」構築が新たな高まりを迎えたタイミングでの開催となった。これまでのBRICS首脳サミットの成果とBRICSメカニズムの発展過程を振り返ると、今回のサミットがBRICSメカニズムの今後の発展にとって極めて重要であることが予見できる。BRICSがいかにして「一帯一路」と深く連携し、連携の中でBRICSメカニズムという新たな国際的な経済協力メカニズムが次なる輝かしい10年を迎えられるようにするかが、サミットで最も注目される議題とハイライトの1つになるだろう。
第1に、BRICSメカニズムの「一帯一路」との連携は大勢の赴くところである。BRICSメカニズムのこの10年の過程を振り返ると、「開放・包摂・協力・ウィンウィン」のBRICS精神がこのメカニズムを支える精神的支柱であった。BRICSメカニズムは従来の経済協力メカニズムとは異なる全く新しいモデルである。ブラジル、ロシア、インド、中国、後に加わった南アフリカの5カ国は政治体制がそれぞれ異なり、経済構造の差別化が顕著である上に、地理的位置はさらに分散している。既存の国家間経済協力メカニズムと比べ、BRICS各国が連帯することは、自発的選択の過程であり、メカニズム革新の過程であり、世界経済発展の大勢を体現する過程である。発展途上経済体の代表として、BRICS各国の経済は安定的に発展しており、世界のパワーバランスの大きな変化を体現し、グローバル化と多極化という大きな趨勢に順応している。一方、BRICSメカニズムと相互に対応しているのが「一帯一路」協力構想であり、こちらも大きな趨勢と変革という似通った意味合いを持っている。習近平主席は「一帯一路」国際協力サミットフォーラムの基調演説で、「平和の赤字、発展の赤字、ガバナンスの赤字は、全人類につきつけられた厳しい試練だ」と指摘した。この3つの「赤字」の出現は、過去のグローバル化プロセスに大きな問題が生じたことを示している。従来のグローバル化アプローチが苦境に陥った原因は、ガバナンス方式が少数の国の利益に合致したユニラテラリズム的なものであり、広範な協力基盤を欠いていたため、グローバル化の成果が少数の国の少数の人のものになる結果を直接的に招き、それがさらに極めて大きな地域不均衡と階級不均衡となって表れたことにある。グローバル化が進むにつれて、こうした不均衡はさらに拡大し、不可避的に「赤字」が生じた。また新興経済体の台頭という大勢を具現化したBRICSメカニズムは、グローバル化アプローチに対する変革でもある。BRICSメカニズムの出現と発展のプロセスは、「一帯一路」の出現とあいまってその効果が高まり、相互に促進し合っている。「開放・包摂・協力・ウィンウィン」のBRICS精神は、「一帯一路」の「共に協議し、共に構築し、共に享受する」という構築理念とはからずも一致している。この二者が深く連携することは、発展の過程において大勢の赴くところなのである。