シンガポールのラジャラトナム国際研究院の『評論』は9月12日、「中国の武器輸出戦略の輪郭」という見出しで、過去10年で、中国は武器輸入大国から輸出大国に変わったと伝えた。中国は低コスト、合理的な価格のサービスとアップグレード版を提供し、地政的条件を加えず、世界の主な武器輸出国の仲間入りを果たした。
ストックホルム国際平和研究所の統計によると、2012年から16年で中国の主要武器輸出は75%増加し、世界に占める割合は3.8%から6.2%に上昇し、米ロに次ぐ世界3番目の供給国になった。中国が武器を輸出する国と数は増加している。また、中国の輸入武器依存度も11%低下した。
中国の世界武器市場における勢いは先進的な軍事プラットフォームと技術の開発に現れ、中国の国防、科学技術、イノベーション、工業基礎は大きな進歩を遂げた。世界の軍事科学技術の先進レベルに追いつくため、中国は本土イノベーションの育成、軍民融合によるイノベーション面の問題解決に取り組んでいる。中国が製造する輸出型武器、中でも航空などの分野の武器は長足の進歩を遂げている。
中国は西洋やロシアの軍需企業との技術の差を縮め、次世代の軍事技術でサウジアラビア、モロッコ、ベネズエラ、エクアドル、ペルー、メキシコ、ナイジェリア、ケニア、タイ、インドネシア、カザフスタンなどの新市場に進出した。
中国の武器輸出を見ると、「競争型」であるとわかる。ラテンアメリカ、アフリカ、中東などの発展途上国で、中国の軍需企業は価格面を売りにし、契約時に臨機応変に対応している。また、武器輸出を外交政策のツールとし、権力と影響力を植えつけ、中国にとって利益になる地域(東南アジアなど)で戦略的な依存性を作り出す。例えば、中国は最近、タイから大量の軍備を受注し、フィリピンに軍事援助を行った。長い目で見れば、これらの国と米国の伝統的な戦略関係を絶つ可能性がある。中国の武器を必要とする地域・国は、中国との安全性と経済関係の強化を望んでいるかもしれない。
中国は軍備競争において影響力を高め、軍事科学技術の発展と武器輸出の拡張だけでなく、戦略を通しても地域の戦略同盟と力のバランスに影響を与えている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月16日