初の中米法執行・サイバーセキュリティー対話が米国で成功裏に行われ、今年4月の中米首脳会談で決まった外交・安全保障対話、包括的経済対話、法執行・サイバーセキュリティー対話、社会・人・文化対話の4つのハイレベル対話制度が全面的に始動した。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
協力は中米両国唯一の正しい選択であり、対話は中米が協力へ向かうために必ず通らなければならない道だ。歴史的・現実的経緯から見て、中米は共に特徴と個性の強い大国であり、両国がいかに付き合うかは双方の切実な利益と前途命運に関わるのみならず、世界全体の未来にも関係する。中米はそれぞれ世界最大の発展途上国と先進国であり、世界第2、世界最大のエコノミーでもある。両国共通の利益と責任は枚挙にいとまがない。だが同時に、中米は一方は共産党の指導する社会主義国家、もう一方は「民主主義の灯台」を自認する資本主義国家だ。一方は台頭する大国であり、もう一方は守成する大国だ。中米間の相違と溝は大変際立ち、誰の目にも明らかだ。
このように複雑でまた重要な中米関係を前に、中米の対話堅持は双方が溝を解消し、共通認識を形成して、実務協力の強化に向けた環境を整える助けとなる。これは歴史的経験であり、現実的要請でもある。1970年代に交流の扉を再び開いて以来、両国はすでに90余りの政府間対話・協力制度を立ち上げた。事実が証明するように、中米両国は対話が多いほど、相互理解を深め、マイナス要因による影響を減らし、協力の道を探り出すことができる。特に溝のある分野は、往々にして協力の目玉となる。
たとえば逃亡犯逮捕・不法取得資産没収の問題だ。両国は法制度が異なり、犯罪人引渡条約がないが、対話を通じて協力方法を見出すことができ、すでに協力の成功例が少なからずある。この過程において、両国が対話を堅持したことの功績は大きい。双方は法執行分野の対話を通じて、互いの主権と法律の相互尊重を基礎に、協力を強化し、逃亡犯の追跡・逮捕を行って、各々が犯罪者の理想の逃亡先となるのを避けることを約束した。