広州税関類別サブセンター副調研員の甘露氏は、自分の仕事を「一つの商品が国際貿易で正常に流通するためには、コードが必要だ。これは商品の身分証のようなものだ」と分かりやすく説明した。
甘氏は次のような例を挙げた。深セン市の某社が生産する「空港旅客タラップ」は2006年に世界で売上ナンバーワンになったが、2012年までは各国の商品類別の未統一に悩まされた。一部の国はこれを「昇降装置類」とし、一部の国は「その他の機械装置類」とした。
甘氏は「類別が異なれば、各国で適用される関税と管理制度が異なり、大きな経済利益に関わる。旅客タラップという項目を追加しなければ、同商品をめぐる見解を一致させることができない」と説明した。
世界税関機構(WCO)が発表する「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System、略称はHS)」は、各国が貿易・税収・産業・環境保護・統計など一連の政策措置を実施する基礎となる。そのため各国の代表者は制度調整会議が開かれるたび、どの商品をHSコードに盛り込むかを巡り激論を交わす。自国の利益に基づき、自国に適した条項をHSに盛り込もうとする。
ブリュッセルで開かれた会議において、甘氏が加わる中国税関代表団は苦しいリサーチと論証、PRと意思疎通により、賛成20票反対4票により中国側の改正案を可決させた。中国が輸出する旅客タラップにコードが付与され、国際市場でさらに好評を博すことになる。