最近、中米の経済・貿易関係に度々雑音が生じている。1月12日、米通商代表部は2017年度知的財産権保護報告を公表し、全体の約20%にあたる9カ所の中国市場を再びいわゆる「悪名高い市場」に挙げた。1月22日、米側は大統領の署名を経て、太陽光パネルなどに保障的関税を課すと発表した。中国製太陽光パネルは米国の総輸入量の8%を占めており、波及は避けがたい。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
早くも昨年8月、米大統領は「中国の不公正な通商慣行」に対する「301調査」をライトハイザー米通商代表に指示した。最近トランプ大統領はホワイトハウスでロイター通信の単独インタビューに応じた際、知的財産権の保護で中国に巨額の「罰金」を科すことを検討していると言い放った。しばらくの間、米国は保護貿易の鉄槌を中国に向ける威圧的姿勢を見せている。
米国は中国との経済・貿易関係の現状に不安を抱いているだけでなく、中国の経済発展と対外協力にも度々悪口を言っている。米国は対中貿易赤字について、不公正な競争を行っていると中国側を非難するのが癖となっており、なにかというと知的財産権を尊重していないと中国を批判し、さらには世界の鉄鋼の過剰供給及び自国の鉄鋼労働者の失業問題を、いずれも中国が鉄鋼業界を支えているせいだとしている。
様々な言行は、「米国第一」の本質を露呈した。トランプ大統領は自国の利益を政策決定の第一基準とし続けている。北米自由貿易協定や米韓自由貿易協定の再交渉も、関税や割当額による輸入制限も、米国自身の利益の最大化が目的だ。貿易パートナーは米側の単独主義的行動を次々に問題視している。今年1月のダボス会議で、トランプ大統領は反グローバル化の旗手、保護貿易主義の代弁者と見なされた。