王焱=文
「国の交わりは民の相親しむにあり、民が相親しければ心相通ず」としばしば語られる。3月7日の対外友好界グループ会議の席上で、さらに民間外交を強化・推進することに関するテーマが対外友好界委員全員の熱い討議を呼び起こした。委員たちは次々と自らの仕事の経験から提言や献策を行い、中国民間組織の海外進出を奨励し、民間組織の海外往来促進の拡大によって中国と外国の民間友好をはかろうとする多くの構想を提起した。中国共産党中央対外連絡部元副部長、中国国際交流協会副会長の劉洪才全国政治協商会議委員は、人民中国雑誌社の記者の取材を受け、「両国国民の間に相互理解、相互尊重、互いの友好的な処遇関係が打ち立てられなかったら、両国の外交家が努力して構築する国家関係は空中の楼閣に過ぎなくなるでしょう」と語った。
民間外交は多くの具体的なことを行おう
劉洪才委員は、「両国人民の間の友好がしっかりと打ち立てられていれば、両国関係が時に困難な状況に陥っても、最終的には必ず克服することができ、通常の状態に戻ることができます」と指摘する。彼は中国民間組織と外国の人々との交流を推進することはとても重要であり、国際交流の中で一部に存在しうるコミュニケーションを阻害するものを克服し、中国の民間組織が外国の民間組織や民衆とさらに自由に深く交流できるようにさせなければならないと考えている。
劉委員からすれば、民間外交の促進は、双方の国民が「顔を合わせ、握手し、ご飯を食べ、いくつかの名所をめぐり、さらにいくつかの友好スローガンを唱える」だけで十分ということは全くない。彼は「民間交流の形式はさまざまあり、多様であるべきです。しかし形式の追求に熱中するあまり、交流の初心を忘れてはなりません。民間外交の発展、中国民間組織と海外の交流の推進は、結局、両国人民の間に本物の友好的感情を育てることができるかということにあります」と言う。中国の対外友好事業に従事する民間団体と個人は、中国と各国との関係の健全な発展の促進から出発して、具体的なことをより多く行うことを彼は切に願っている。
劉委員は、「われわれ民間の対外友好人士は、外国の国民の中になるべく入り込んで、交流によって彼らにより深く中国を理解してもらうべきです。われわれの民間団体は単に口先だけの友好で満足してはならず、努力によって外国の国民のために、出来る限りのことを着実に行うべきです」と提案する。
中国に友好的な世界の友人に学ぶ
中国の発展過程では、多くの外国の民間友好組織が千里はるばる中国にやって来て、中国の人民のために多くのことを行ってくれた。劉委員は彼の古い友人である曽我祐次氏の事績を紹介した。曽我氏はかつて日本社会党(現社民党)の副書記長を務め、ずっと対中友好の推進を唱え続けていた。17年前から、彼は若者を含む「日中友好21の会」の日本の友人たちと中国の陝西省、河南省、河北省などの地を訪れ、ボランティア植樹を行ってきた。
劉委員は感慨深げに、「氏はもう90歳を超え、病気を患い、歩くのも大変でいらっしゃるのに、十数年間まったく同じように続けておられ、私はとても敬服しています。昨年われわれが会った時に彼は、『私の体が動ける限り続けていきます。この緑化事業は日中両国の人民のためとなり、両国人民の相互理解を促進することができます』とおっしゃられました。氏はずっと具体的な行動により中日友好に有益な事柄を行ってきて、私は深く感動させられました」と語った。
劉委員の紹介によれば、さらに多くの日本の対中友好団体が同様なことを行っている。彼は「私はこの種の話をたくさん聞いています。今後『人民中国』を通して、より多くの人に彼らの事績を知ってもらいたいと思います。このような精神こそわれわれの励ましと支持を必要としており、われわれ自身もなるべく多くのことを行わねばなりません」と言った。
「一帯一路」を中日互恵協力のモデルケースに
今年は「中日平和友好条約」締結40周年にあたり、両国の多くの有識人士が、今年中日関係が大幅に改善されることを期待している。劉委員は、「40年前、中国と日本は『中日平和友好条約』を結び、両国関係の発展の法律的基礎となりました。40年余りの間、問題は絶えず出現しましたが、中日の両国関係は全体的発展の主な流れとしては好調でありました。そのため、今年は両国にとって、とても記念すべき価値のある年なのです」と語る。
物事とは絶えず困難を克服してこそ前へ発展することができる。劉委員は、中日関係は今年本当の改善を実現しなくてはならず、双方は3つの方面から推進する努力を行うべきだと考えている。その三つとはまず、政治的な相互信頼を増進し、中日間の四つの政治文書を順守し、歴史をかがみとし、未来に向かうこと。また、互恵協力を強化すること、そして、民間往来を強化することだ。
「ここ数年、中国は発展して世界で2番目の経済体になったから、日本はもはや当初のように重要ではなくなったと考えることはできません。われわれはやはり相互学習する必要があり、相互に手本とし、互恵協力を拡大させる必要があります。特に「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」イニシアチブが提起された後、日本側の態度はしだいに変化しました。これは日本側が中国側と常に交流する中でこのイニシアチブに対する認識が深まったことを意味します。われわれは『一帯一路』を、中日両国の互恵協力モデルを模索する新たなモデルケースとするように促さなくてはなりません」と語る。
政党間の関係は中外交流に積極的な役割を果たす
劉委員はかつて中国共産党中央対外連絡部副部長を担当し、その主な仕事はアジア地区特に日本の政界・政党間との交流を行うことであった。彼は「中国共産党は4項目の政党間関係の原則があり、それはすなわち自主独立、完全平等、相互尊重、内部事務への相互不干渉です。われわれはこの4項目の原則を基礎に、世界各国の多くの政党と友好関係を樹立してきました」と紹介する。
劉委員によると、中国共産党は日本の自民党、公明党、立憲民主党、民進党、社民党、日本共産党などの与野党と政党間関係を樹立している。こうした政党間交流はすでに中日両国の交流の重要な一部となっており、両国関係が順調な時に推進的役割を果たすだけでなく、両国関係に問題が発生した時にも、双方をテーブルにつけ、重大な問題についての意思疎通を行わせることができ、相互理解を促進する役割を持っている。
劉委員は、「われわれは日本側と中日執政党交流メカニズムを樹立しています。昨年12月、日本の自民党と公明党は各自の幹事長が一行を引き連れ、われわれと共に福建で第7回会議を行い、日本の重要な経済団体の指導者の多くもその会議に参加しました。双方は『一帯一路』イニシアチブを含む両国の政治・経済・文化などのテーマについて、深い交流を行いました」と紹介する。
中国共産党と世界各国の政党間交流と、その他の形式による対外交流の間には、相互補完関係がある。劉委員は、「今後さらに政党間関係を深め、政党間関係の健全な発展を促進するだけでなく、さらに国家間の経済交流や民間交流などを促進し、各方面において積極的な役割を果たすようにしなければなりません」と語った。
人民中国インターネット版 2018年3月9日