続発する校内暴力事件が近年、全社会から注目されている。今年の全人代会議では、校内暴力の加害者をいかに処罰し、校内暴力を防ぐべきかが、代表らが熱心に議論する話題になった。
全人代代表、重慶市科学技術研究院技術評価・移転サービスセンター主任の楊帆氏は今年、「校内いじめ防止法」の立法を推進する議案をもたらした。
楊氏は記者に対して「わが国の校内暴力には現在、頻度が上がり、広く分布し、公開が進むという3つの特徴が見られる。上海政法学院の姚建龍教授が2016年に、全国29県の小中学生10万4825人のサンプリング調査を行い、わが国の校内いじめの被害者数は6067万1800人にのぼると推算した」と話した。
楊氏は議案の中で「長期的ないじめは被害者の恐怖を生み安心感を奪い、成績悪化、さらには登校拒否や転校に至らしめる。いじめは青少年の身体の健康を損ね、さらにはその人生に影を落とす。研究によると、青少年期にいじめられた人は、その後の人生に対する態度に影響を受ける。内向的、悲観的、無力になりやすい。成人後、うつになる確率が一般人の4.8倍になる」と指摘した。
中国にはこれまで青少年保護で主に「未成年者保護法」「未成年者犯罪予防法」「義務教育法」などの法律があったが、校内暴力に的を絞った法律がなかった。また「教育法」と「義務教育法」は、不良行為のある学生に対する体罰や間接的な体罰を認めていない。教員は校内暴力を処理する際に、口頭による注意しかできないことがほとんどだ。
現行法では校内暴力の処罰に十分に対応できず、加害者が受けるべき懲罰を受けなくなっており、「誰もが未成年者犯罪予防に責任を負うが、問題が生じても誰にも責任がない」という状況になっている。そこで楊氏は、「校内いじめ防止法」の立法に向けた活動を早期開始し、かつ法律の操作性を高めることで政府と学校のいじめ防止活動における責任を際立たせ、校内いじめへの処罰を強化するよう提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月16日