中国軍当局は先日、南中国海で大規模な軍事演習を実施すると発表した。3月30日には中国海南海事局が1週間の「南中国海軍事訓練臨時航行禁止」を通知した。(文:胡波・北京大学海洋戦略研究センター執行主任。環球時報掲載)
国際メディアは今回の軍事演習を正式な開始前から注視。ボイス・オブ・アメリカ(VOA)、ナショナル・インタレストなど米メディアは「太平洋での大規模な実弾演習による米軍に向けた挑戦」「南中国海での米軍の『航行の自由作戦』は効果がない」「米国はより強硬な措置を取り、南中国海で中国に『レッドライン』を設けるべき」と主張した。
周知のように、軍事演習は平和な時期に軍が戦力を形成するのに不可欠な重要ルートであり、どの国にも管轄海域と公海で訓練を実施する権利がある。中国は南中国海最大の沿岸国であり、南中国海に200万平方キロの主張管轄海域を有しており、この海域での演習実施も非難すべきものではない。
反対に米国は、遥か万里も離れた非南中国海沿岸国であるのに、南中国海で毎年100回に上る軍事演習を実施しており、近年ではさらに「航行の自由作戦」を頻繁に実施し、南中国海及びその周辺地域での軍事配備を強化し続けている。米国こそが南中国海「軍事化」を始めた国だ。