2010年から現在まで、米国が南中国海問題でのかつての「相対的中立」を変え、前面での直接介入へと向かった根本的原因は、その不適応と焦慮にある。米国がここ数年南中国海問題への介入を強化した結果として、中国は南中国海での軍事的プレゼンス強化の決意を揺るぎないものにしたのだ。
もし米国が南中国海戦略に対する不適応または焦慮を和らげたいのなら、結局は国際関係の常識に立ち戻る必要がある。米国が南中国海で存在感を示し続けるにともない、中国は必然的に南中国海での軍事的プレゼンスを強化し続ける。そして中国は南中国海最大の沿岸国及び世界大国としても、南中国海で一定のプレゼンスを維持する必要がある。中国は南中国海の航行の自由を尊重しており、米軍を南中国海から追い払う意図はない。だが南中国海において中国軍は米軍との力の差を縮めており、パワーバランスが均衡へと向かっているのも事実だ。米国が20年以上前の目で今日の中国と南中国海の戦略構造を見ることはもうできない。
現在、米国の南中国海政策に最も急がれるのは中国にいわゆる「レッドライン」を設けることではなく、中米のパワーバランスに大きな変化が生じていることに慣れ、戦略を適切に調整することだ。もし覇権主義思考と強権主義ロジックを引き続き堅持し、是非を問わず、南中国海で全力で中国に圧力を加え、中国を封鎖するのなら、いつまでも果てがないし、良い南中国海政策も得られない。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年4月3日