米CNNは8日、トランプ大統領がイランとの核合意から離脱すると発表し、世界に震撼をもたらしたことを「世界の地震」と形容した。イランを敵対視するサウジアラビアやイスラエルなどの一部の国を除き、圧倒的多数の国が反対の声を上げている。米国の欧州の同盟国も一致して、遺憾の意を表している。
イランは理性的に、各国となおも協議中と表明した。米国国内で、イランとの核合意を促したオバマ前大統領は、この措置により世界は次の中東戦争を迎えることになるかもしれないと警告した。
トランプ大統領は8日、ホワイトハウスでビデオメッセージを発表し、イランとの核合意から離脱し、最も厳しい制裁を行うと述べた。トランプ大統領は、最悪の合意だと皮肉った。イランの核兵器開発に対する規制が甘いにも関わらず、制裁を回避させていると称した。また合意は「テロリストの主な支持者」であるイランに金を与えていると批判し、「今日の行動は、米国は二度と空虚な脅しをしないという、極めて重要な情報を伝えた。私は約束し、即座に実行する」と特に強調した。
トランプ大統領の離脱発表後、就任したばかりのボルトン国家安全保障問題担当補佐官は記者会見で、同決定について詳細に説明した。「離脱後、一時停止されていたイランへの制裁が即座に発効する。世界各国の企業はイランと新たに契約を結ぶことができず、履行中の旧契約も状況に応じて90日もしくは180日内に廃止される」米財務省は同日、イランへの制裁を開始したと発表した。
離脱発表後、国際金融市場は恐慌に陥った。国際原油先物価格は2%以上も高騰し、ブレント原油先物価格は1バレル当たり76.75ドルと、3年半ぶりの高値をつけた。ブルームバーグは、原油価格は近日中に1バレル90ドル以上に高騰すると予想した。米国のイランへの制裁は、ボーイングやエアバスなどイランと契約を結ぶ各大企業から懸念されている。