なぜ永興島が選ばれたのか
中国軍が発表した動画の滑走路の方向やその他のインフラに基づき、『ディフェンス・ニュース』はH-6Kが離陸した空港を、中国が南沙諸島の人工島で建設した空港ではなく、西沙諸島の永興島だと推測した。
環球時報の調べによると、「空軍発布」の関連動画では、滑走路末端にナンバー23が記されていた。これは衛星写真の永興島の滑走路ナンバーと一致する。
匿名の中国軍事専門家は、環球時報の記者に対して、永興島が選ばれた理由について次の3つを挙げた。(1)永興島の空港は長年の建設を経て、各種施設が整っている。滑走路は全長3000メートルほどに達し、ボーイング737が離着陸したことがある。そのためH-6Kのような大型機の離着陸に非常に適している。(2)ここからH-6Kを離陸させれば、十分な戦術的優位性を確保できる。通常爆弾を満載し離陸しても、西はベトナム全域を、東は台湾島をカバーし、南は南沙の各島に到達できる。ガソリン満タンで離陸すれば、カバー範囲はさらに拡大する。(3)永興島は西沙諸島にあり、ここでH-6Kを離着陸させても南中国海の島礁の領有権を主張する国から過度に注目されることはなく、国際的な世論への悪影響を最低限に制御できる。当然ながら中国が南沙諸島の島礁の空港でH-6Kを離着陸させても、批判される謂れはない。中国は自国の領土のすべての空港ですべての航空機を離着陸させる権利を持つ。永興島でH-6Kを離着陸させたことは、中国側の南中国海問題における自制心を示している。